90 / 90
第90話 月夜見と海斗
その夜は、気持ちが昂ぶって月と海斗は離れ難い思いになっていた。
一緒に来た仲間たちもそれぞれがカップルになって帰って行った。
翔と登美。登美の思いが叶ってどこかのホテルに行くだろう。
良太がナオをアフターに誘った。
赤坊主の柴田は松ちゃんと二人で恵理子を誘って飲みに行った。柴田も松ちゃんも、まだまだ女の子をホテルに誘う勇気はない。
佐里は薫ちゃんといい雰囲気だ。
「あーあ、みんなカップルが出来て羨ましいな。」
「摩利彦は遊び人の噂が尽きないからな。
俺の家に来るか?」
タスクの言葉に甘えた。今夜は月夜見と海斗の恋を成就させたい。
(ま、俺もタスクと寝るのも悪くないな。)
みんな一緒に来たのに、帰りはバラバラだ。
M2は理解できない高揚を持ち帰った月夜見に違和感を感じた。
月の脳に入り込めない。今夜は、何か理解出来ないものが詰まっている。
苛立っていた。苛立ちの感情は初めてだ。
月夜見の部屋に帰って来た。海斗は顔色の悪い月を心配してついて来た。
部屋のベッドに腰掛けて,キスした。
海斗とのキスは初めてじゃないけれどドキドキが止まらない。
「ずっと好きだったんだ。ピアノ,聞いてから。」
海斗の言葉に月が
「そんなに上手くないよ。」
「あの時、宇宙が見えた気がした。
月のピアノを聴いてたら涙が出て来た。
ずぅーっと昔の記憶の様な、、、。」
抱き合って口づけを交わす。海斗に、大好き、の気持ちが溢れてくる。
月は自分の胸に手を当てて
「ここが苦しくなるんだ。」
シャツの上から胸を触る。
・・これは何だ? こいつの胸が何かでいっぱいだ,と言ってる?どこにもバグがない。
・・いつもは月の脳を使って人間の心の動きをリサーチするのに、今は出来ない。何なんだ?
・・それに何かに引っ張られる、
M2は初めての経験に,正解を探した。
・・誰かが遠くで、天罰,って言ってる?
どういう意味だ?遥か昔に聞いた言葉?
・・私が存在してここ数年。昔とは?存在とは?
最適解が見つからない。
この二人は何をしているのだ?
ともだちにシェアしよう!

