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第93話 初めての朝
初めての朝。海斗と二人で抱き合って目覚めた。指が触れただけでドキドキしていたのに、今は抱き合って狭いベッドにいる。
「おはよう。昨夜は一回起きたけど大変だったね。」
「ああ、そうだ、タグが真っ黒になってた件。
海斗も見たでしょ。
また、あの後眠ってしまった。」
「すごく疲れてたみたいだった。
久しぶりにグッスリ眠れたんだね。」
海斗の腕枕でくっついて寝ていたのが照れ臭い。キスしたから二人の壁は無くなったのか。
海斗が抱き寄せて、なんか男らしい。
「一緒にお風呂に入ろう。
俺、海斗とセックスしたい。」
「うわっ、直球だな。」
「うん、なんか、いつ死んでも後悔しないように
海斗に印をつけて欲しいんだ。」
二人は見つめ合った。海斗が
「俺、初めて、だよ。」
「うん、俺も初めて。」
月夜見が真っ赤になって答えた。
「じゃあ、何かビデオでも見て練習する?」
二人はすごく恥ずかしい事になった、と焦った。
「こういう事ってみんな練習するのかな?」
どんな練習をするのかわからない。
二人で寝ている部屋にノックの音。
摩利彦が入って来た。後ろからタスクも一緒だ。
「摩利は朝帰り?」
「ああ、タスクの家に泊まった。
月、顔色いいじゃん。
海斗とチェリー卒業した?」
月と海斗が二人で真っ赤になった。
「ああ、これからか?」
摩利彦が訳知り顔で自分の部屋に行った。ゴムの箱とローションの瓶を持って戻って来た。
「これ,使って。
まずは一緒に風呂に入るんだよ。」
「やめろよ。プライベートだ。」
「じゃあ、俺とタスクは自分の部屋に籠るから。
頑張れ!」
「頑張れって何を、だよ。バカ摩利!」
気付くと、ずっと月と海斗は手を繋いだままだった。
M2は、このやりとりを見ていた。
・・人間は何をしようとしているのか?
でも、見ているだけで楽しそうだった。
・・楽しそう? この感じは何だろう。
抱き合って楽しそうだ。人間の身体はお互いに触る事で親密になるのか?
突然襲って来たこの気持ちは何だろう。人間ならその気持ちを寂しいと表現するのだ、と思考回路に灯った僅かなパルスの揺らぎが教えた。
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