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第2話 コンロ職人の目的は、え?そっち?!
「炎はな、繊細なんだ。優しく扱ってやらないと、こっちの要求には答えてくれない」
「へぇ」
バルドと同じようなことを言う鉄を、蓮は細目で見ながら話半分に聞いている。
工房に入って、色仕掛けをしようとしたが、鉄の火に対する熱いマシンガントークが始まってしまい、蓮はただ言われた作業を行なっていた。
しかし、実際、鉄の言うことは凄い。
凄腕の職人と言われるだけあって、専門的に調理の火を知り尽くしている。
これなら、バルドの料理に必要な火加減も再現してもらえるかもしれない。
「魔法はな、便利だけど、あれも修練の賜物だろ。俺が作る火も獣人の修練と同じだ。何度も何度も失敗を繰り返して出来た技術だからな」
「ふ~ん」
どうやら鉄もただの変態ではなさそうだ。
蓮は、片付けてくれと言われた書類を束ねながら鉄への気持ちを改めた。
手元の書類だって、コンロの設計図で、何回も何回も書き直した跡がある。
「蓮、終わったか?」
「あぁ、はい。この設計図すごいですね。すごく使いやすそうで」
蓮が見ていたのは、家庭用なのか二口のコンロとグリルが一体になっているものだった。
大きく開くグリルの口や、重たい鍋でも動かしやすような凹凸のないコンロは、見た目だけですぐに良いものだとわかった。
「あー、それか。良いんだけどな。人間用には火力が足りないんだ」
「確かに、だいぶ小さいサイズですね」
「だろ?火力を維持するには、その大きさが限界だな。ちょうど蓮の腰あたりか?もう少し下かな」
「んっ……ちょっ……」
鉄はコンロの大きさを蓮に触れて教えようとしてくる。
腰回りに手を添えて、スルスルと太ももから、内腿へ、軽く自身に触れられ、蓮は体を跳ねさせた。
「何?蓮はこうされると感じるんだ?」
「違います。離してください」
体を使っての交渉を考えていたが、実際に触れられると嫌悪感しか無い。
鉄と距離を取ろうとした時、鉄の目の色が変わった。
「なぁ、バルドと蓮は恋人だろ?」
「え……まぁ、そうですね……」
「そうか、蓮は細いな……バルドはどうやって抱いてくる?」
「はぁ?」
答えるわけないと鉄を睨んだら、腰を掴まれ引き寄せられた。
抱き寄せるように、身体中を鉄の手が弄ってくる。
「やめ……」
「いいなぁ……蓮……こんな細いのに……バルドを受け入れるのは大変じゃないか?」
「ちょっ……うるさい……変態、離せ……んんっ!」
鉄の手が、蓮の服の中まで入ってきて、胸の突起に触れる。
堪らず蓮が身を捩ると、ニヤリと鉄の口角が上がった。
「良い反応……これは夢中になるわけだ……はぁ……いいなぁ、蓮……」
「んっ……ぁっ……やめ……」
弱い部分を執拗にこねくり回され、蓮の体から力が抜けていく。
鉄は難なく蓮を作業台へ押し倒して、さらに反応を観察し始めた。
「ここが弱いなら、こっちはどんな反応になるんだ?バルドはどう触ってくる?」
「も……やめろ……んぁっ……バ、バルド!」
鉄の手が蓮の下半身に伸びた時、蓮は必死にバルドを呼んだ。
声が届くかわからないが、バルドの耳になら届いてくれると信じて。
「鉄~、裏の廃材は片付いたぞ~?」
「バルド!」
蓮の声が届いた訳では無さそうだが、ちょうど良くバルドが入ってきた。
そして、入り口の扉のドアノブを持ったまま、固まっている。
(まさか、閉めるつもりじゃないだろうな?)
バルドならやりかねない事を想像し、蓮はもう一度バルドに助けを求めようと口を開いたら、次の瞬間には、扉が消し飛んでいた。
「鉄っ!お前っ!!」
ドスドスと足音を立てて入ってくるバルドは、今にも鉄をぶん殴る勢いだ。
(や、まずいな。鉄が死ぬ)
「バルド、待て、待て!」
蓮はバルドを抑えようと体を起こすが遅かった。
バルドは鉄の胸ぐらを掴みあげ、鉄の足が宙に浮いている。
構えている右手は、ギュッと拳を握り震えていた。
呼吸を浅くしながら、バルドはギリギリのところで耐えていた。
ホッとした蓮が、バルドに触れようとした時、鉄がふぅと感嘆の息を吐く。
「はぁ~ん、かっこいい……」
宙に掴み上げられている状況で、鉄はとろけた表情をバルドに向けていた。
自分の胸ぐらを掴むバルドの腕をそっと撫で上げて、身を捩る。
「バルド、もっと、触って……」
「はぁ?」
鉄の要求に、蓮が声を出す。
「なぁ、蓮に触るみたいに……。蓮は細いだろ?壊れそうで怖くないか?俺ならそんな心配はない。なぁ、触ってくれよ……」
鉄は、バルドの腕を両手で擦る。
まるで、下半身の昂りを擦り上げるかのようのに。
「んっ……ぉわっ!」
バルドは鉄の手の動きに、思わず掴んでいた胸ぐらを離した。
ゾワゾワと鳥肌が立っているのがわかる。
(こいつにも嫌悪感てあったんだな)
床に落ちた鉄は、足に力が入らないのかへたり込んでいた。
しかし、モゾモゾと動き出す。
「獣人、格好いいよな。バルド、俺さ、ライオンの獣人好きなんだよ」
ライオンの尻尾みたいだろと、鉄は腰に伸びる長いベルトを見せてくる。
そしておもむろに、ベルトを外して、下半身を露わにした。
「何してんだ……」
「寒くないか?」
蓮もバルドも状況についていけない。
鉄は熱い視線をバルドに向けたまま、四つ這いになった。
「バルド!抱いてくれ!!」
そこそこガタイの良い男の尻を目の前に見せつけられ、バルドと蓮は固まる。
流石のバルドも、照れるという反応は見せず、引いていた。
「ダメか?一回だけでいい。獣人に、ライオンの獣人に、格好よく抱かれたいんだ!」
鉄はバルドの足元まで来ると、縋るように太ももに掴まり、股間に顔を近づけて興奮している。
「う……うわっ…………」
バルドは色んな意味で動けないのだろう。
そんなバルドに、鉄は、お構い無しですり寄って、股間をじっとりと見つめる。
蓮は、だんだんと怒りが湧いてきた。
さっきは一瞬でも鉄を守らないとと思ったが、今はぶん殴れと思っている。
「触るなよ……」
冷たく低い蓮の声が工房に響いた。
「え?」
「バルドに触んなって言ってんだよ!」
「怒んなよ。一回だけだ。一回だけ、バルドかしてくれ。な?」
「ふざけんな!お前なんてこれで十分だ!」
蓮はそう叫ぶと、作業台に鎮座していたフンポダケのこけしを鉄の尻に叩きつけた。
「あぁっんっ!」
そこは、見事に鉄の秘部で、クニュと先端が入り込む。
「んっ、蓮……そっか、それバルドと同じ大きさ?」
「はぁ?」
四つ這いのまま振り向く鉄の顔は、期待に満ちていた。
その顔に、蓮の怒りが頂点に達した。
「ふざけんなっ!バルドのはもっとデカい!」
「んあぁぁっ!!あんっ……最高、気持ちいい……」
ズブズブと鉄に飲み込ませたこけしは、良いところを擦るのか、鉄の喘ぎ声が止まらない。
「蓮っ、蓮っ、バルドがするみたいに、してくれっ!」
「うるせぇっ!誰が教えるかっ!お前のケツはフンポダケが犯してんだよ!」
「あはっ、あぁぁんっ!でも、でも、気持ち良い!だめだ!あぁんっ!」
怒りに任せた蓮の手の動きを、バルドはそっと抑える。
「蓮、壊してしまうぞ」
「壊れろこんな奴!」
「……それだと、コンロが……」
「…………くそ……」
蓮はこけしから手を離して、ピクピクと幸せそうに痙攣する鉄を見る。
掴まれたバルドの手の熱が急に恋しくなって、甘えるようにバルドの胸に顔を埋めた。
優しくバルドが蓮を抱きしめてくれる。
蓮の胸が、ギュウっと締め付けられるように苦しくなった。
「バルド……キスしてくれ……」
「ん?今?」
「今だよ……」
二人の唇が重なり、ピチャリと舌が絡み合う。
鉄が顔を上げると、夕日に浮かぶ蓮とバルドのシルエットが綺麗に重なっていた。
その光景は、鉄の最後のリミッターを外させて、工房には青臭い匂いが漂った。
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