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第6話

 少しでもルカを隠すようにパーカーを引っ張りながら答える。  首元から見える、僕の腹にしがみつくルカは……天使かってくらい可愛らしい!  頬はぷっくりとしているのは言うに及ばず、大きな目は印象の強い桃花の形をしている。  ピンク色の頬は滑らかで、そこに挟まれた唇はぷるんとして「しーっ」って沈黙を希望する形に歪められていた。  そして何よりも、オパールを思わせるようなうるりとした青色の瞳は遊色効果があるかのように、キラリキラリと水面たゆたうのような光が見え隠れしている。  なんて可愛らしい…… 「ルカ! こっちに出ておいで! いるのバレてるよ!」  怒鳴りつけられて、腕中のルカがびくりと体を硬直させた。  怒られて怖いんだろうけれど……この動きは…… 「あのっ! 飯野と言います! えぇっと……野分さんでしょうか?」  必死にあのチラシに書かれていた雇主の名前を思い出して告げると、目の前の青年……改めてみると、首のネックガードがなくても一目でΩだってわかる顔立ちの青年は難しそうな顔をした。  え?  第一印象がよくなかったんだろうか?  あまり好意的な雰囲気をしていないってのだけはひしひしと伝わってくる。  にっこりと微笑めばテレビに出ているタレントだって言われても信じちゃうくらい綺麗な顔立ちと、余計なものの一切ないスレンダーな体つきは脚が長くて驚きなのに、作る表情は刺々しい。  裾を銀色に染めたカーキ色の髪は個性的だったけれど、個性的だからこそ彼によく似合っている。 「ちょっと! ルカ!」  僕の質問には答えず、彼は大きく鋭い声をあげて名前を呼んだ。  そんなことしたらますます萎縮してしまうのに…… 「かくれんぼのつもりかもしれません、もしよろしければこのままお連れしてもよろしいでしょうか?」  言いながら服の中のルカを抱え上げる。  そうすれば、これぞΩって感じの青年は僕を見上げるしかなくなって……気圧されたのか、ルカにとっていた態度を少し和らげた。 「……まぁ、いいけど。こっちきて」    仕方がないっていうスタンスを崩さないまま、彼は僕を家の中へと案内する。  あまりにも印象が違うから、電話に出てくれた人と違う人なのかな? と思いつつ歩いていると、ツンツン と胸をつつかれる。 「どうしたの? 降りる?」  怒られなくなったからもうここから出たいのかな? と服の中を覗く。  そうするとにこぉと満面の笑みを浮かべたルカがいて……  僕は思わず、今まで僕が積んできた徳に感謝した。  世の中の可愛いを集めたようなこんなルカが僕の腕の中にいて、しかも目があったのに怖がるどころか笑顔を返してくれるなんて、異常事態だ。 「あーね、んと……」  ルカはうまく言葉を操れない割に語彙の少ない言葉でなんとか僕に意思を伝えようとする。  

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