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第17話

「ハンバーグの方はタレがついてるからそれでいいよね。唐揚げはレモンが欲しかったなぁ」  実家の玄関前のレモンは今年も沢山実をつけるんだろうか?  あれで作ったレモンカードやレモンパイをルカに食べさせたら、どんな顔をしてくれるのかなって自然と笑顔になってしまう。 「あ、いけないいけない! お待たせしてしまう」  コーンスープは硬めに溶いて少しのマヨネーズと胡椒と塩で味を整えてドレッシングがわりに。  フルーツの上にヨーグルトをかけてから薄く切ったりんごを飾って、これで完成! 追加でインスタントのコンソメスープを入れて、完璧じゃないだろうか?  ……本当は僕の夕飯だったんだけど、仕方ないよね。 「お待たせいたしました」  弟達はちょっと小洒落たふうに料理名を言いながら並べてやると喜ぶんだけど、きっと今はそんな雰囲気じゃないよね?  お腹が空いてるからかそれとも僕がうるさいからか……料理に時間がかかりすぎたから⁉︎ 心当たりが山ほどあるんだけど、むっつりとしているトーマが不機嫌にしているのは間違いなかった。 「……出来立てなのか」 「出来立てと言っても、温かいのはスープだけですし……すみません、明日からはしっかり用意しておきますから」  そう答えて、でもリンが二人の食事はいらないって言ってたんだって思い出す。  でも今こうして作っているんだから、用意しておいたほうがいいんだろうか? 「あっすみません、リンさんの分もご用意した方がよかったでしょうか?」 「なぜ? あいつは自分の家で食べるだろう」  夫々なのに⁉︎ って出てきそうになった言葉はごくんと飲み込んだ。  もしかしたら番なだけかもしれないし……でもルカもいるのに? でもでも、それが都会のαとΩなのかもしれないって思ったら、わざわざ聞くのも野暮ったい気がするし、雇い主のプライベートの詮索は良くないってのは、なんとなくわかる。 「…………」  トーマはいただきますも何も言わないまま、黙々とサンドイッチを食べ始める。  量が少ない? 多い? と尋ねたかったけれど、オーラがすでに話しかけるなって言ってるから、僕は何も言わずにすすす……とキッチンに引っ込んだ。  引っ込んだって言っても、この家のキッチンはアイランド型だから僕からもトーマからもお互いが丸見え状態なんだけど……  とりあえず、なくなってしまった夕飯の代わりのものを用意しないといけない。  なんだか面倒だから、ヨーグルトに乗せたりんごの残りを齧ってもいいかなって思うんだけど、今日は激動の日だったからなんとか温かいものを胃に詰め込むことにした。  りんごを角切りに切って、フライパンにバターと一緒に乗せる。  

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