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第21話
いつもはどうしてるんだろう?
毎日、トーマがこの時間に出るとして、ルカは? 起こしてから行ってるんだろうか?
それとも……?
嫌な考えに辿り着きそうになって、慌てて首を振ってからルカの部屋をノックした。
眠ってたら返事がないのは当然だから、「おはよー……」って小さく言いながら部屋を薄く開けて、布団の上の塊を見つける。
弟達はとんでも寝相でいつも布団の上にすらいなかったけれど、ルカは小さく丸まったまま昨日と同じ場所で眠っていた。
ギュッと巻き込んだ毛布は苦しくないのかな? って思うくらい頑なで……
「ルカくん、ルーカくん、おはよ」
最初は手をちょんちょんってつついて、次に軽く握り込んでくすぐるようにしてみる。
そうするともぞもぞと小さな体が動き出して……パチンと弾けるように青い瞳が開かれた。
薄暗い部屋の中なのにキラキラと宝石のように見える瞳は僕を見て、少し驚いたようだ。
「おはようございます、ルカくん。僕の名前覚えてる?」
「 ままのー」
ぽつん とつぶやかれた言葉に正解です! と大袈裟に笑って頭を撫でであげると、寝起きでぼんやりとしていた表情がはっとなって満面の笑みに変わっていく。
「ままのっままのっ」
「はーい。おはようございます」
人差し指を目の前に立てて注意を引くようにしてやると、ルカはきょとんとそれを見た後に「はよ、ざます」って不思議そうに呟いた。
その不思議なことをしてますって顔が可愛くて可愛くて! 勤め先じゃなかったらいっぱい写真を撮れるのにって悔しくて泣きそうだ。
「お着替えしてから、朝ごはん食べようね」
「んっ」
もたもたと服を着替え始めるルカを時々手伝いながら見守って、着替え終わったら手を繋ぎながら階下へ向かう。
僕達が階段を降り切ろうとした時、やっぱりチャイムも何もないままに玄関ドアががちゃんって開いてリンが顔を出した。
「えっ⁉︎ あっ! あんたがいたんだっけ? えっとえぇっと……つづきくん? だっけ?」
トーマ同様、リンも僕には興味がないようで、昨日雇ったこともすっかり忘れてしまっていたようだ。
それでも名前を覚えてくれているだけ、トーマより僕に関心を向けていてくれるのかもしれない。
「はい。おはようございます、リンさん」
「っはよ、ざます」
僕の指を握るルカの手に力が籠る。
すごく緊張しているんだってわかる姿に、安心させたくてギュッと握り返した。
「あー……これ買ってきちゃったんだよね。まぁいいや、お昼ご飯にでもして」
ばさ と投げるようにして置かれた白い袋の中身は、昨日集めたゴミの中にあったパッケージと同じものがいくつも入っている。
食料はリンが買ってきていたんだってわかったけれど……じゃあ、トーマは?
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