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第24話

 ルカが行きたいと言うなら早速準備だ! タオルと水筒が見つからなかたから綺麗に洗ったペットボトルを水筒がわりにお茶を入れて……流石に着替え一式を持って行くほどじゃないよね? 「ルカくん、お出かけの時にバギーとか乗ったことある?」 「?」  あれがあると疲れたら乗せちゃえばいいから楽なんだよね。  でもルカは僕の質問にきょとんとしたままだ。バギーが何かわからなかったのかなって思って、色々言葉を変えて聞いてみたり、絵を描いてみたりしたけれどわからなかったみたいだ。  使ってなかったのかなって思ったけれど、ルカの靴を履かせる時に靴底が全然傷んでなかったから、出かけること自体あまりしてこなかったからだってわかってしまった。 「  っ」  トーマとリンの親としての責任感のなさにじわりと嫌な気分が心の中に染み出して、怒りよりも悲しい気持ちが胸を満たして行く。 「おそとっ」  今咲いたって感じの満面の笑みで庭に飛び出したルカは、ヘーゼルブラウンの髪を光に透けさせて本当に羽が生えているように見えるくらい尊い姿をしている。  こんな可愛らしい子なのに、どうしてあの二人は顧みないんだろう? 「そーら」  後ろに倒れそうな勢いで空を仰いだルカの瞳は遊色効果の一つ一つに太陽の光と空の青を映して、どんな宝石よりも魅力的な輝きを放っていた。  そんなルカが僕の方を振り返って、最高に可愛い笑顔を見せてくれるから……写真が撮りたくて撮りたくてたまらなかった。  歩いたからか緊張しているからか、ルカと繋いだ手はじっとりと汗ばんでいる。  ルカは辺りが物珍しいのかあっちをキョロキョロこっちをキョロキョロしていて、気をつけていないと手をすり抜けて飛び出していってしまいそうだった。  たくさん色々買い込んだことをちょっと後悔したけれど、それでも普段から鍛えているおかげで荷物を持つのに苦労はしない。  ただ……買い物で一つ困ったことが出てきてしまった。 「ぅ……心許ないな……」  立て替えておいてって言われたからとりあえずすべて自分で出してはいるが、トーマの食事の分も用意ってなったらそれなりに量を買わないといけない、量を買わないといけないとお金もかかるってことで……  あの追い出されたアパートの敷金礼金を払ってしまって、僕の財布の中身はちょっと寂しいことになっている。  あんなふうに追い出したんだから敷金礼金両方返してもらってもいいくらいなのに、不動産屋に連絡したら面倒そうに対応されて「嘘をついていたのはそっちなんで」って言われてガチャ切りされてしまった。  でも契約書にはΩは駄目って書いてないし、僕は突然何の保証もなく放り出されて荷物も汚されて……  なのに、Ωってだけで悪いのは自分になってしまう。  

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