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第5話
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[異世界召喚編]
ボチャンと水に落ちる音がして、目が覚めた。
あれ、俺、どうしてたんだっけ。確かさっきまで元カレと揉めてて…そうだ階段から落ちたんだ。自分で滑り落ちたとはいえ、その場いたあいつも確実に警察の厄介になってるに違いない。別れた時はなにもかもあいつの思い通りになってしまった為、俺は心の中でしめしめ、あいつに一泡吹かせてやれたぞと思っていた。
「おお、召喚成功じゃ!」
「……いや待て、なにかおかしいぞ」
「どうした、なにか問題でもあるのか」
周りがざわざわとしている。病院かな、目が覚めたから医者たちがざわめいているのかもしれない。
俺は横になったまま、ゆっくり目を開けた。俺は、泉のような場所にぷかーと浮いていた。泉の周りには妙な服を着た老人達が立っている。彼らは確かに俺を見て、首を傾げたりなにか耳打ちしたりしていた。
なんだこれ?病院じゃ、ない?
「目を開けたぞ!」
「鑑定じゃ!鑑定をしろ!」
「うぅむ…確かに肩書きは召喚されし者、じゃ。第二次性もオメガである…」
なにか騒いでいるが、何を言っているのか全くわからない。いや、聞くことはできるが理解はできないが正しいだろう。
俺は浮いたままなのも気持ち悪くて、そっと体を起こした。服は、揉めた時の服のまま。着衣泳、なんて言葉を久々に思い出していると周りがまたざわざわとし始める。
「少し…おじさんすぎやしないか?」
カチン。
知らない場所に来てまでその言葉を聞かされると思っていなかった俺は、思いっきり顔を顰めてしまう。すると言語を理解しているとわかったのか、老人達(以下じじい共)がどよめいた。顔を合わせ、にんまりと嫌な笑みを浮かべる。
「どうぞお上がりくだい召喚されし者よ」
「さぁさぁ」
先程の失礼な態度はどこへやら、じじい共は俺に対して腰を低くして接してくる。俺はとりあえずこのままでいる訳にもいかないので、泉の中央から泳いで岸に上がった。
脇から女性たちが出てきて、泉から上がった俺にふわふわとはいえない布を頭まで被せてくる。そしてそのまま俺の手を引いてどこかへ連れていこうとする。
「いや、待って、待ってくれ…ここは、どこなんだ?病院は?元カレは?」
「混乱は分かりますが、まずは王に会ってくださいまし」
「王…?!」
俺は、いつ時代に来たのだろうか。
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