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第30話

それから聞いた話はどれも思いもよらない話ばかりだった。 クロード様は、初めて私を見た時から恋に落ちてしまっていて、どれほど縁談が来ても私以外には興味を持てなかったから結婚は諦めていたとか。 私はクロード様のことをなんとも思っていないだろうから手は出せなかったこととか。 「そんな…、私も…、ずっとずっと、王太子様よりもクロード様が好ましいと思っていたんです。 でも、貴方はとてもおモテになるから…、私のような脛に傷を持つ者とくっつくだなんて申し訳ないと思っていました」 「脛に傷を持つだなんて…、俺からしたら君はずっと美しい」 そんな風に言ってくれるのはクロード様だけだ。 でも、彼が私を本当に好きなのだと実感し、照れ笑いを浮かべてしまう。 「こんな風に君が笑う姿が見れるなら、もっと早く部下のアドバイスを聞いておくべきだった」 「アドバイス?」 「ああ。君の心が手に入らないと嘆いていた時に『ちゃんと気持ちを伝えろ』とアドバイスをくれた部下がいたんだ。 的外れなことを言っていると思っていたんだが…、ちゃんと的を射ていたな。 気持ちが伝わっていなかったんだから」 目の前の屈強な美丈夫が、部下に恋愛相談をしているなんて意外だった。 「ユーフォルビアから俺にはなんか言っておくことはないか? 直してもらいたいところでもいい」 彼が不安そうな顔で私の顔を覗き込む。 「先ほどのお話で、1点改善いただきたい部分があります」 私がそう言うと、彼は姿勢を正した。 「どこだろう? 君が気に入らないなら善処する」 「ヒートが来るまで私と距離を置くというところです」 私がそうきっぱり言うと、彼は慌てたように 「それは、君の体を思ってのことだ! 前みたいに手酷く抱いてしまったら、君も嫌だろう?」 と言った。 そもそも前提が間違えている。 「誰が嫌だったなんて言いましたか?」 「え?」 「嬉しかったです。 ヒートじゃないのに抱いていただいて。 しかも沢山跡を付けてくださって…、嬉しかった。 もう全部消えちゃいましたけどね。 確かに気持ち良すぎて苦しい時もありましたけど、毎日顔も合わせられないよりずっといいです」 私がそう言うと、彼は「ユーフォルビア!」と名前を呼んで私をぎゅうぎゅうに抱きしめた。 ちょっと苦しい。 「ああ…、俺はなんて幸せ者なんだ… 腕の中に君がいるだけでも奇跡なのに…、こんな風に思ってもらえるだなんて…」 私も同感だ。 クロード様と結婚できただけでも奇跡なのに、私を好いてくれていて、番になる約束までしてくれたんだから。 「クロード様?」 腕の中でもぞもぞしながら呼びかけると、彼が「なんだい?」と腕の力を弱めてくれた。 これ幸いと顔をひょっこり出して言う。 「両想い記念に抱いてください」 だって、激しく抱かれてすぐに何日間も顔を合せなかったのに、今はこうして触れ合っていて…、反応しないわけがない。 後ろが期待するように濡れ、私は膝を擦り合わせた。 きっとフェロモンも出てしまっているし、物欲しそうな顔をしているに違いない。 恥ずかしいけれど、この疼きを何とかしてほしい… 「なっ…、だ、ダメだ。 今はまたひどくしてしまう」 クロード様が狼狽える。 まだそんなこと言うのかと私はムッとした。 「私たちは夫婦ですよ? 妻の体を満たせるのは…、旦那様であるクロード様だけです」 「ひどくしていいから」とお尻を彼の立ち上がったモノに擦りつけると、クロード様は「悪い子だ…」と唸り、私を抱き上げてベッドに向かった。

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