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 中学へあがりしばらくすると、執司を光輝の家で預かる回数は次第に減っていった。  母親同士の仲は今までどおり良好で変わらなかったけれど、執司が遠慮するようになったからだ。 「執司くんもやりたいことあるんでしょ。好きなときに来てくれたらいいからね」  たまに執司が訪れると光輝の母はそう言って、執司の意思を優先させていた。  一方光輝は、執司といつも一緒にすごしていたこともあり、心のすみに寂しさがあった。 (俺より背も高くなったし、勉強だってできるし、俺が世話してやる必要なんかねーけどさ)  執司が6年生になった頃急に成長し始め、光輝はあっという間に背を越されてしまった。おまけに執司は口数まで減っていき、会話の機会も少なくなった。  隣に座ってヒーロー番組を見て、一緒に遊んでいた頃のかわいらしさはどこへいってしまったのだろう。  とはいえ光輝も、バスケ部へ入り塾通いも始めたことで、放課後の自由な時間はほぼなくなった。どのみち、執司との時間は取りようがなかった。 「人見くん、呼ばれてるよ」  窓際の席で放課後、のんびりと休み時間を満喫していると、落ち着かない様子の女子に声をかけられた。  指さされた先を見ると、執司がいる。 「久しぶり」 「執司!」  勢いよく立ち上がったせいで、イスが後ろへ倒れてしまった。  手を振って席を立つと、気づいたほかの女子たちも執司の方をちらちらと見始める。  入学後すぐからモテた執司だけれど、今のところ彼女はいないらしい。 「へぇ、生徒会入んの? 頑張れよ」  光輝は、生徒会役員にとスカウトされたことを聞いた。成績優秀でスポーツもそつなくこなし、クール系イケメンに育った執司は、学校の顔としてもぴったりだろう。 (俺には無理だわ、一緒にって言われてもさぁ)  誘われるはずもないのに、誘われた場合の返答を考えていた自分を、光輝は心の中で苦笑する。  報告に寄っただけらしい執司はすぐに帰って行った。わざわざ言わなくても、と思いつつ、久しぶりに話せたことは純粋に嬉しかった。

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