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 光輝は、執司のバイト先のひとつである全国チェーンのコーヒーショップへ立ち寄った。  先日急に体調を崩したけれど、執司に看病をしてもらったおかげで、すっかり調子を取り戻せた。 (びっくりさせちゃったな)  連絡もなく訪れた光輝をレジで見て、執司は一瞬驚いたようだったが、穏やかに接客をしてくれた。 (なーんかあいつら、やけに距離が近くね?)  通りに面した大きなガラス窓のカウンター席に陣取り、レジやコーヒー類の提供をするカウンターをのぞき見る。  視線の先には、レジカウンター内のドリンクサーバーの前で、執司にやたらと体をひっつけている小柄な男がいた。 (離れろよ、執司にくっつきすぎだって)  具合の悪かったときに執司に抱きしめられてから、執司のことを考える機会が自然と増えていた。  バイト先を聞き、様子をのぞいてみたいと思ってしまったのも、執司の体温を感じて自然と安らいでしまったせいだ。  いつもなら大学おわりはまっすぐ帰宅して、配信の準備を始める。  けれど、作業中に飲むコーヒーを買うためと口実を作って、執司のバイト先へ立ち寄っていた。  レジで執司に接客されたおかげで、持ち帰りと言う気をなくし、『店内で』と言ってしまい今に至る。 (…やきもちじゃねーぞ。あの態度は、店員としてまずいから、俺は怒ってんの)  光輝はひとりで大きくうなずきながら自分に言い訳するけれど、執司に対する気持ちが原因だと本当はわかっている。  嫉妬した自分が恥ずかしくて、けれど他人が執司に必要以上に近付くことが許せなくて、苦しくなってしまう。

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