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 昨夜は寝つきが悪かったにもかかわらず、光輝は早朝に目が覚めてしまった。  冬に向けて少しずつ日が短くなっていて、あたりはまだ暗い。 「あー……最悪だった……まじでやり直してー……」  ベッドで掛布団を体へ巻き付け、ごろごろと左右に転がる。  なかなか眠れなかったのは、配信の興奮のせいではない。  執司がバイト先で告白されており、付き合うかもしれないこと。それ以上に、執司に好きな人がいるということが、光輝がの心を揺らした。 (短時間クリアできるやつだったのに……集中できなさすぎ……)  気持ちを割り切れず、引きずったままゲーム配信を始めてしまったのがいけなかった。  謝って、配信を延期すればよかった。 (だと、執司に心配かけることにもなったし、配信したこと自体はよかったって、思っときたい)  割り切りつつ視聴者に対して心の中で謝り、次をもっと面白くしようと決める。 (で……俺だけど、俺じゃないんだよな)  執司の好きな人は、ミカン ねこまるだと言った。ネットの世界にいるだけの、光輝の分身のような存在だ。  邪魔したくないと言ったのは、ファンがVTuberに直接恋を伝えることがご法度という、マナーを理解しているからかもしれない。 「言ってくれて全然いーんだけどなぁ」  思わず気持ちが漏れてしまい、誰もいない静かな室内を見回す。  けれど、キャラクターは光輝そのものではない。執司が、特に小学生の頃の執司が喜んでくれそうなヒーロー像を元に設定を作ったので、気に入られるのは当たり前かもしれない。  当時の光輝は、あくまでかっこよく自分もなりたいヒーローを当時は考えていた。  しかし執司は恋愛対象にするならという意味で、憧れの少年ヒーロー像を描いていたのかもしれない。 (執司はゲイで、だから中学のとき女子からモテても付き合わなかったってこと?)  それなら、バイト先の男子から告白されて検討していることも、納得がいく。  光輝は自分の中で考えがまとまってくると、改めて執司のこれからの出方が気になってしまった。 「付き合うのかよ、あいつと……」  掛布団を頭までかぶり、小さくつぶやいていると、隣の部屋で扉の開く音がした。執司が階下へおりていく。  今日は二限からだと言っていたのに、やけに早起きだ。朝食や光輝の分の弁当を作ってくれるけれど、それにしても早い。

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