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「なってない。断った」
執司が帰ってくる時間でもないのに、後方で似た声がした。
まさかと思って振り返ると、通り過ぎた公園の前に執司が立っている。
「おい、バイトは? まだあがる時間じゃ……」
「夕飯、なんでいらないんだ」
速足で執司が詰め寄ってくる。怒っているような表情に、光輝はじりじりと後ずさる。
けれど、自分のために早退したのかと、光輝はかまわれたことを図々しくも喜んでしまう。
「だって、今日は執司帰るの遅いだろうと思って……」
告白の返事をするだろうし、と言うと、もう一度同じことを言われた。
「だから、断った。付き合わない」
「何で……」
「俺はちゃんと告白をしたつもりだった。でもお前には伝わってないし、勘違いされた」
「は……?」
早朝、自室へやってきたときのような厳しい表情を向けてくる。
「ねこまるは光輝だろう。だから、あのページを見せれば、お前を好きだとわかってくれると思ってた」
執司は光輝の演じているねこまるが好きで、恋愛対象になるほどで、活動の邪魔をしたくないから告白しない。
それは全て、光輝の勘違いだった。
「ねこまるのガチ恋じゃ……なかったのかよ……?」
「どうやったらそうなるんだ、大体ねこまるはお前と俺の子供みたいなもんだろ」
子供という言葉を選んで使われ、授かるはずもないけれど、行為を連想してしまった光輝は顔全体が熱い。
「子供って……言いすぎ……」
「はっきり本人に言った方がいいんだったな、光輝」
優しく穏やかな声で名前を呼ばれ、視線を執司の方へあげる。やはり、表情は厳しい、けれど少しだけ柔らかくなったような気がした。
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