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「あとで、俺の部屋来て」  金曜の夕食後、食器を片付けると執司に声をかけられた。  恋人同士になってから、執司は休日前夜にバイトを入れなくなった。光輝もそのときの配信は休みにしている。  頻度が下がることはよくないとわかっていても、つい、執司とふれあうことを優先してしまっていた。  入浴や寝る準備を整えて執司の部屋へ向かうと、慌ただしそうにノートパソコンで作業をしていた。 「忙しいのか?」  声をかけるとすぐに作業の手を止めて、部屋の入口に立つ光輝の方へ寄ってくる。 「大丈夫。来て」  光輝の背後へ周って扉を閉めると、後ろから寄りかかるように抱きしめられてベッドへ進む。いつもの流れだ。  けれどまだ、互いの手で発散させ合うまでしかしておらず、光輝は自分のマンションへ戻る前にその先へ進んでみたかった。  隣同士に並んで執司のベッドへ腰かけると、顔が近付いてきてキスを求められる。 「執司、ちょっと待て」  言って、光輝は決意した内容を話す。 「このままじゃ、配信がおろそかになりそうなんだよ。世話になる理由もなくなったし。だからもう、元の部屋に帰るな」 「……別れるのか?」  話をひとりで飛躍させ、捨てられた子犬のような顔で見てくるので、大きく頭を横に振り否定する。 「違うって、ねこまるの活動はお前も応援してくれてるんだし、ちゃんと続けたいんだよ」 「俺が夜、家にいないようにしたらいてくれるのか?」  よほど光輝に元のひとりぐらしの部屋へ帰って欲しくないのか、執司が食い下がる。 「うーん、ここにいるとさ、お前のことばっか考えるから区切りつけらんなくって」  照れながら答えると、執司の顔は明るくなる。しかし、すぐまた拗ねたような顔をする。  恋人同士になってから、また小学生の頃のようにいろんな執司の表情が見られて嬉しい。 「なら、週末だけでも泊まりに来て欲しい」 「……うん、俺も……そのつもり」  話がまとまったので、もうひとつのことも進めたい。 「あのな……その……」 「?」 「もっと……執司に触りたくって」  執司の方を恥ずかしさから見上げられず、うつむたまま続ける。 「俺にももっと執司に触って欲しい。だから」 「わかった」  光輝が言い終わるのを待たず、腿の上へ手が置かれ少しずつ執司の体重がかかってくる。  執司も進展したいと思って、タイミングを見計らっていたのだろうか。  何も言わず気持ちが通じた気がして、光輝はにこりとほほ笑んだ。  目が合った執司はいったん手が止まったけれど、すぐに肩を押され、優しくベッドへ寝かされた。 (ついに最後まで……)

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