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第15話 ねがい
吸われて、少し痛いくらいにしびれている耳の下をなぞりながら、ノアは口を開いた。
「ローグさん」
「……ん」
「あの……、これって、もっとしっかりつけたら、もうちょっと長持ちしますか?」
「ああ?」
眉間に皺を寄せて振り向くローグに、少し慄きながらも、言葉を重ねる。
あまりに何度もこ れ をされるのは、ノアにとっては心臓がもたない気がしていた。
「これ、この……、お守り、ですかね。これって、もっと強くつけてもらったら」
「お前なあ……」
額に手を当ててうなだれるローグに、何か間違えたらしいことを悟る。
「同じとこ一箇所だけ、くっきりついててもあんま意味ねえだろ。」
そう言うもんなのか?
ノアの顔を見たローグが、ため息をついてから、指先でノアを呼んだ。
呼ばれた通りににじり寄ると、そのまま首元に顔を近づけられて、鎖骨の上に吸い付かれた。
「ひあ……っ、ぁ、ぁっ」
びっくりして体をよじると、そのまま寝床に倒れ込んで、ローグが上になった。
それでも唇が離れず、なんだかおかしな声が漏れるのを止められないでいると、ローグの顔はすぐに離れていった。
「そうやってあちこち吸い付いて……、相手をかわいがるもんだ。」
心臓が胸の中で飛び跳ねて、吸い付かれたところからぞくぞくがあふれ出していて、指先までが小刻みに震えていた。
「寝ろ。……二度と言うな」
毛皮が頭から被せられて、ノアはその中に丸くなった。
口元を手で押さえて、息をとめる。
ローグに謝るべきだった。
だけど、何をどう謝ればいいのかも、わからなかった。
目が覚めると、あたりがほんのりと明るくなっていた。
足元に何かが触れていて、顔を向けると、ローグの頭がそこにあった。
「……また。」
寝床を奪いたいわけじゃない。
だけど、昨日あの後、あんなことをしたローグが、おとなしく寝床に入るわけがないことも理解できた。
少し胸が苦しくなる。
この人が、自分の番いならいいのに。
そう思った。
……思ってしまった。
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