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【2話.冷との出会い(1) 】

冷side 23:00 今日は友人の咲希が経営する店に顔を出す日だった。 俺があまりにも連絡を怠るから「 2ヶ月に1回は店に来て近況報告すること!」と咲希にしつこく言われ、多分俺が折れるまで永遠に言われ続けそうな予感がしたので大人しく従っている。 カラン 店に入ろうとしたら先に扉が開いて見慣れた水色の髪が目に入る。 「あ、すみませ……ってなんだ冷か」 「失礼じゃない?笑」 「ごめんって、ちょっと用事が出来ちゃって。すぐ戻るから先入ってて〜」 「ちょっと……はぁ、もう居ないし」 仕方がないので店の中に入った。 「初めまして、お席案内しますね」 「あぁ、ありがとう」 初めて見る黒髪の子が席に案内してくれた。 今日は私服イベントみたいで店の子はそれぞれ自分のコーデを着ていて面白い。 そういう組み合わせも有りなんだな…… 最近の流行りを自分の目で見れてとても勉強になる。 そんな事を思っていたら席に着いたみたいだ。 「こちらです、お飲み物何にされますか?」 「話しづらいからタメでいいよ、じゃあハイボールで」 「わかり……分かった。ちょっと待ってて」 少し待っていたら彼が飲み物を持って戻ってきた。 「名前聞いてもいい?」 「冷、そっちは?」 「俺はとうふって呼ばれてる」 「なんか見た目に反してかわいらしい名前だね」 「どういうことそれ」 彼は少しムッとした表情で口を尖らせている。 「ごめん冗談だよ見た目もかわいい」 「……ならいいよ」 そう言って俺から目を逸らした彼は少し照れているようだった。 あまり褒められ慣れてないのかな。 「冷さんはなんでここに来てくれたの?」 「あー……ここの店長の咲希と友達なんだ」 「え、咲希さんと?!咲希さんの友人関係初めて知った」 「あいつ全然プライベートの事話さないでしょ」 あまりに分かりやすく驚くからついははっと笑みが溢れてしまう。 カラン 「あ……噂をすればなんとやらだね。咲希、こっち」 入口に居る咲希に向かって手を振るとすぐに気付いて早足でこちらに向かってきた。 「ごめん、おまたせ」 「そんな待ってないよ、この子と話せて楽しかったし」 ちらっと隣に立っている彼に目線をやる。 「あ!とうふくんありがとね!こいつ変なこと言ってなかったー?」 「いや、特に……俺も話してて楽しかったんで」 「そかそか!じゃあボク相手変わるから他の子のとこ入ってもらってもいいかな?」 「了解です!」 咲希とお互いの近況を話していたらいつの間にか閉店の時間になってしまった。 「そろそろ閉店準備するから、もし一緒に出るならそこで待ってて」 「分かった」 そこまで急いでいなかったので言われた通りそのまま座って待っていた。 「とうふくーんもう帰る時間だよ!起きて起きて〜」 食器を洗う音や他の子の話し声がする中、咲希の声が聞こえたのでそちらを見てみると、カウンターの席に座るとうふと名乗った彼が机に突っ伏しながら眠っていた。 「どうかしたの?」 「わっ、びっくりした。急に背後に立たないでよ」 「悪い、なんか困ってそうだったから」 咲希の方まで歩いていくと、眠っている彼はどうやら酔い潰れてしまっているようだった。 「潰れてるね」 「そうだね〜どうしたものか」 「俺、車近くに停めてるから送れはするんだけど、どうする?」 「あ〜……それが家の場所あんまり知られたくないらしくて」 「あらら…」 当の本人は起きる気配が無いし、二人で少し悩んでいたら「あ!」と咲希が声を上げた。 「冷の家に泊めればいいじゃん!家広かったでしょ?」 「え……まあ、一泊くらいならいいけど」 「冷ならそう言ってくれると思った!じゃあ悪いけどこの子頼んだよ〜」 「はいはい」 「あ、酔っ払ってるからって変なことしちゃダメだからね〜」 「はぁ……俺が耐性強いの知ってるだろ」 「だよね、さっきのは冗談!ふふっ」 とうふくんをおぶりながら咲希と一緒に店を出た。 咲希は「じゃあまたね〜」と手を振りながら歩いていき、俺は反対方向にあるパーキングエリアに向かった。

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