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第21話 ヒートとプロポーズ R18

そして、今日は日曜日の昼だ。僕は土曜日の丸一日の記憶が飛んでいる。 ところどころ、お風呂で洗われながら交わったり、ソファで交わったりと爛れた生活を過ごしていたのは覚えている。それに、ベッドのサイドボードにあったスキンの箱が三つとも空いていた。未使用の物もあるにはあるが数えるほどだ。それだけ致したのだろう。肌触りの良い毛布に頬を摺り寄せて悶えていると。 「ナオ…こっち向いて」 涼介さんも起きたみたいだ。僕はゆっくりと寝返りを打って 「(おはよ)」 と言ったつもりだった、残念ながら声が枯れている。涼介さんは深いキスを落としてベッドから立ち上がりそのまま水を取りに行った。背中の中央に深い溝ができていて凹凸のある筋肉が綺麗だった。帰ってくる時も何も隠さず戻ってくるものだから何もかも見えている。綺麗な鎖骨、へそのくぼみとその下も丸出しだ。全裸が似合うって…僕は毛布をかぶった。 「ナオ…そんな可愛いことして。もっとすごいことしてたのに」 意地悪を言いながらも笑ってペットボトルの蓋を緩めて僕に差し出してくれる。毛布から這い出ようとしてもいたるところが痛い。 「りょ…すけさ…い…だぐて…うっ」 察した涼介さんは僕を抱き起して横抱きにしてくれた。ペットボトルを受け取ってごくごくと飲む。一気に半分飲んだ。ぷはぁと息をつくと涼介さんが残りを一気に飲んだ。目の前で上下する喉仏がかっこよかった。 「ごめん、俺たぶんラットになってた」 僕はコクコクとうなずく。 「僕もずっと気持ちよくて、頭がバカになってたよ」 お尻の下で涼介さんの雄がピクリとする。 「ナオはずっと可愛かった、ほんと、大好き」 真っすぐな言葉が恥ずかしくてうつむいたら、体がすごいことになっていた。 赤い点々や噛み痕が見える場所だけでも数えきれないほどある。 「りょ・・涼介さん、僕すごいことになってる…」 「…あぁ、俺の痕だ」 得意気なのはどうしてだろう。 「ナオが俺無しじゃ、ダメな状態が最高にたぎる」 と言いながらお世話してくれるのを受け入れた。 やっと着せてもらえた服はなぜか涼介さんの服で僕の服は洗濯中だと言われてしまった。 昼ご飯はコンシェルジュの人に届けてもらったデリバリーを食べる。いや、食べさせられている、ひざの上に座らされてあーんって口に食べ物を運んでくれている。給餌って言う言葉が頭に浮かぶが頭を振って飛ばした。 「涼介さん、このまま帰るとお母さんたちが心配するからもう一晩泊らせて」 僕は今ソファに座ってやっと自力で座れるまでに回復していた。 「大丈夫、ヒート休暇取ったし、お母さんたちにも伝えたよ」 涼介さんがなんでもないことのように言うから危うく流すところだった。 「え、僕ヒート…」 涼介さんが今度はおやっという顔をした。 「ナオ、気づいて無かった?ヒートだよ」 僕は言葉を発する前に涙があふれた。 手が震える、肩が震える、のどが震える。 「ほ…ほんとに…ヒート…。」 心臓がぎゅうぎゅうと締め付けられて涙が止まらない。 「僕…不安だったんだ。もしかしたらもう、ヒートが来なくて涼介さんとも番えないって。でも、ヒートが来なくても涼介さんと繋がりたかった」 あの事件のせいで僕のヒートは遅れていた。飲まされた抑制剤のせいだとも精神的なものだとも言われたけど、実はすごく怖かった。もう僕にはヒートが来なくてこのまま涼介さんとも番えない、子供も産めなくなるんじゃないかって思って怖かった。 涼介さんが労わる様に優しく肩を抱いてくれた。涙を拭いてそこにキスをくれた。 「ナオが繋がりたいって言ってくれて浮かれてたよ、二人で良いってそういう意味だったのか。もっと話を聞いてればよかった、ごめん」 「僕は言葉にするのが怖かったんだ、涼介さんさえ側にいてくれれば良いと思ったから…幸せなのは本心だよ」 「ナオはもっと欲張っていいよ。もっと頼られたい、もっと甘えられたい」 涼介さんは僕の手を取って指にキスをくれる。僕を見つめる目はすごく優しかった。僕はまた勇気をもらった。この人が大好きだ。 「涼介さん僕と番になってくれる?」 膝に座らされたこの体勢だとかっこはつかないけど、精一杯キリっとして見せた。 「俺からも言わせて、ナオ、番になることは命懸けだ、だけど俺はナオの全部が欲しい。番になって」 僕がうなずくと涼介さんはおでこにキスをくれた、そしてそのまま抱えられベッドに運ばれた。 散々乱れたベッドだけど神聖なものに思えた。 僕は覚悟を決めてチョーカーを外してベッドの下に投げた。 ゆっくりと寝かされて前髪を掻きあげられた。間接照明が涼介さんを照らす。これから番になろうと言うのにとても穏やかな目だった。僕は両手を伸ばして涼介さんを引き寄せた。 「愛してるよ…心から、番になって」 耳元で響く声は僕に優しい命令をくれた。 「僕も愛してる」 涼介さんの耳にキスをして僕も請う。これからするのは未来への儀式だ。 お互いの服を脱がせ合って、キスをしながら笑みを移しあう。 あんなに恥ずかしかったのに今はそうは思わない。全部見せたい、知って欲しい。そして、全部教えて欲しい。 涼介さんの指と唇が小さな火を灯しながら全身を辿る。声に甘さが交じって誘うように息を吐く。つきりと傷むのは涼介さんが僕に痕を残しているから 「僕はもう涼介さんのものだよ」 「ナオの命も心も全部俺に預けて」 涼介さんが深いキスをくれる、僕もお返しに舌を伸ばせばされるがままになってくれた。手がゆっくりと下に伸びて僕の熱に触りゆっくりと扱く。快感に腰が震えて涼介さんにしがみついた。手はさらに奥に伸ばされすでに兆して濡れ始めてる僕の蕾に指をゆっくりと沈める。「んぁっ…」その刺激にピクリと反応を返せば「かわいい」と言う声が聞こえてきてこの二日で覚えた僕の反応の良いところを抑えにかかる。びくびくする僕の腰を抱き込んでへそをぐりぐりと舐めてきた。背筋を甘い痺れが走って背がしなった。涼介さんの柑橘の花の匂いがどんどんと濃くなる。 「ナオはおへそも弱いね、かわいい」涼介さんが僕を抱き起しておでこにキスをしてうつぶせにする。お腹には枕が差し込まれてお尻を高くする格好で固定された。涼介さんはそのままヌチヌチと水っぽい音を立てながら中の襞を撫でる。ゾワゾワとお腹に熱が溜まる感触がある。キュンキュンとする間隔が短くなってきた。そこで涼介さんがぞろりと指を抜く。ふるっと震えた。 「ナオ、俺を受け入れて」 涼介さんが背中にピタリと覆いかぶさってきて肩甲骨を舐める。 「りょうすけさん…きて」 僕が答えるとぐっと質量のある熱が内側を撫でる。ぐっぐっと入ってくるだけで頭の先まで電流が駆け抜ける。ひくひくと痙攣を始める内襞に涼介さんが低い唸り声を上げる。まるで獣みたいだ。 「ナオ、良い匂いがしてきた」 うなじをペロペロと舐めながら力強く腰を打ち付ける。シーツに捕まっている僕の手に涼介さんが指をからませる。僕は涼介さんの親指を握りこんだ。律動が早くなって僕も呼吸が荒くなる。どんどんとせつない熱がたまってきた。 「ひゃ、もぅ…もぅ…ふかぃ」 切羽詰まった声がもれると。律動がどんどんと早くなる。 「ナオ、噛むね」 そう言ってうなじに犬歯が突き立てられた。涼介さんを受け入れている僕の内側がぎゅんと締まって衝撃が走る。歯を立てられたところからじんわりと温かいものが広がっている感じがする。びくっびくっと痙攣のように背がしなった、目の前が真っ白になって…内側に多幸感が広がる。何度か瞬くと心臓がすごい速さで早鐘を打つ。僕の蕾が目いっぱいに広げられている感覚があるのは何だろう…でも、考えることは放棄した。そのまま、前に倒れこむと、僕は起き上がれないほどの疲労感に目を閉じた。 背中にピッタリと涼介さんの肌を感じる。それにキュンキュンとまだ後ろが疼いている。 「んっ…」 僕が身じろぎするとお腹に回っていた涼介さんの腕がグッとお腹を抱きしめる。そして、僕の孔に埋め込まれたものが脈を打った。 「ひっ…」 僕は小さく悲鳴を上げた。 「ごめん、ナオ。ノットが反応した鎮まるまでちょっとこのままでいて」 ノットはオメガのヒート対して反応するアルファ特有の現象で射精後に陰茎の根元が膨らみ接合部分を固定する現象だ。もともとアルファは子を成しにくく確実に種付けするために発達したと言われている。身じろぎすると中に感じる涼介さんの熱がぴくぴくと反応を返す。いたたまれない。 「僕はどれくらい寝てたの?」 「うーん…10分くらい」 涼介さんが肩を抱いてそこにキスを落とす。涼介さんに反応してキュンキュンしているのが繋がっているところからバレてそうで恥ずかしい。ばれていても、気づかないふりはしてくれるだろうけど。 「横に倒れてもいい?」 僕のお腹に回された手にぐっと力が入ってぐっと起き上がり横向きに寝ころぶ、中であたるところが変わってたまらず声が漏れる。そのたびに涼介さんの熱もぴくぴくと脈打つのが伝わってくる。 「ありがとう、涼介さん…そのいつになったら落ち着くのかな…その…」 涼介さんが髪にたくさんキスを落として、 「俺もこの状態は初めてだから…でも、蕩けそうに気持ち良いよ」 またきゅんと締め付けてしまった。 「僕も…」 「うん…伝わってる」 ぷっと笑い出す。お腹に回った手に手を添わせて笑う。…笑うと振動が伝わってうっと唸る声が聞こえてくる。 「僕らは番になったんだね」 涼介さんの手を取って薬指をかじる。ペアリングに舌を這わして指先にキスを贈った。 「ナオ、愛しています。結婚してください」 僕の手を取って僕がしたように僕の薬指にキスをくれた。その瞬間きゅんとして僕の襞が波打って締め付けた。 「んっ…ふっ…ぼくもあいしています。おねがいしますっ」 くたりと涼介さんに身を預けた。ねぎらうようにこめかみにキスをくれて毛布をたくし上げて包み込んでくれた。触れ合う肌が気持ちいい。甘やかされて、蕩けて僕はこの人なしでは生きていけないって刻み込まれてるみたいだ。 微睡みと覚醒を繰り返してノットが収まったのは3時間後だった。身じろぎすればあふれ出るほどに僕の孔にはたくさんの種が注がれていた。足腰は薄い感覚しか無く立ち上がることもできなかった。涼介さんにトイレに連れて行かれお風呂で洗われ、なにからなにまでお世話されてソファにしなだれる。服は涼介さんのスウェットを着せてもらった。 涼介さんはコマネズミのようにシーツを変えたり、ゴミをまとめたり、ご飯の手配をしたりと動き回っていた。 その体力はどこから来るんだろうと目だけで動きを追う。ただ目が合うとキラキラの笑顔を向けてくれるのはきゅんと来る。僕はそっとうなじに手を当てた。人差し指がその傷に当たる、チクっとした痛みと感触で傷がそこにあることを実感した。嬉しくてニヤニヤしてしまう。ソファの近くまで帰ってきていた涼介さんが僕の頬にキスをして隣に座った。僕がふとももをポンポンと叩くとそこに頭をのせてくれた。 「手伝えなくてごめんね、ありがとう」 ねぎらうように涼介さんの髪を梳く。 「抱き潰したのは俺だから」 って僕を見上げながらとんでもないことを言うから頬が熱を持つ。赤くなった僕の頬をツンツンとつついて満足げに笑う涼介さんは子供みたいだ。 「俺は遠慮しないよ。ナオが好きだ、愛してる」 「…望むところだ」 僕が言い返すと二人の笑い声が重なった。 僕のヒートが落ち着いたのはそれから2日後。5日間僕らは睦みあった。正気に戻ると恥ずかしさに悶えてしまうものの満ち足りた時間だった。

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