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第20話

ミネストローネを食べながら、ふと昨日の先輩の言葉を思い出す。 ――明日の食べたいものでも考えときなさい。 何がいいだろう。 最初に思い浮かんだのは あの日作ってもらったキノコのクリームリゾットだった。 美味しかった。 身体に染みるような優しい味だった。 また食べたい。 そう思ったけれど、以前先輩が言っていた気がする。 「リゾットは暇な時じゃないと作らないのよ」 確かそんなことを。 米の状態を見ながら作るから意外と手間が掛かるらしい。 料理をたまにする自分ですら、リゾットはあまり作らない。 だったら別の料理にしようか。 スプーンを口に運びながら考える。 簡単に作れるもの。 身体に優しいもの。 そして、このミネストローネに合うもの。 もしそう伝えたら先輩は何を作るだろう。 たぶん先輩のことだから、 「じゃあサンドイッチかしら」 なんて言う気がする。 卵サンドだったり。 ハムとチーズだったり。 スープと合わせるには丁度いい。 あるいは、 「オムレツでいいんじゃない?」 なんて言いながら冷蔵庫の余り物を入れて作りそうだ。 先輩は凝った料理より、相手の体調に合わせた料理を作るタイプな気がする。 昨日までなら考えられなかった。 誰かに作ってもらう晩ご飯を楽しみにしている自分がいることに。 少しだけ驚きながら、俺はミネストローネをもうひと口飲んだ。

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