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第21話

お昼時だった。 スマホが震える。 画面を見ると先輩からのメッセージだった。 『決まったかしら?』 朝言われた晩ご飯のことだろう。 ミネストローネを飲みながら考えてはいた。 だけど結局、これといったものは思い付かなかった。 少し悩んでから返信する。 『何も思い付きません』 すぐに既読が付く。 『あら』 続けてメッセージが届く。 『珍しいわね』 思わず苦笑する。 そしてもう一通送った。 『ミネストローネに合うやつだったら何がいいですかね』 少し間が空く。 きっと仕事の合間に返しているのだろう。 しばらくして返信が来た。 『んー』 『サンドイッチとかもありだけど』 その後に続いた言葉に少し驚く。 『私はパスタかしら』 『クリームパスタ』 思わず想像してしまう。 温かいクリームパスタ。 ミネストローネ。 確かに美味しそうだ。 『美味しそうです』 そう返すと、 『そうしましょ』 とすぐに決まった。 その速さに少し笑ってしまう。 本当に作る気だったらしい。 続けて先輩からメッセージが届く。 『体調は?』 画面を見つめる。 昨日よりはずっといい。 熱もない。 食欲もある。 だけど完全に元気かと言われると違う気もした。 『そこそこです』 そう返す。 すると。 『そう』 短い返事。 その後。 『まだ半日あるからゆっくりしてなさい』 その一文に少しだけ肩の力が抜けた。 『はい』 返信を送る。 数秒後。 『いい子ね』 そんなメッセージが届いた。 思わず吹き出しそうになる。 本当にこの人は。 仕事中なのに何を送っているんだろう。 だけど嫌じゃなかった。 むしろ少しだけ嬉しかった。 スマホをテーブルへ置く。 窓の外はよく晴れていた。 まだ少し疲れは残っている。 それでも昨日みたいな苦しさはない。 今日はちゃんと休もう。 そう思いながら、俺はソファーへ身体を預けた。

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