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「ほんっと! 信じらんない!!」
記事が表示された画面をそのままに、タブレットを事務所のソファーへとダイブさせる
(そのまま床に叩きつけなかっただけ褒めて欲しいものだ)
タブレットはそのままバウンドし、僕のせいじゃないとだんまりを決め込んでいる
グレーのカバーがあいつのスーツと似てるのにもイライラする
「まぁまぁ、とりあえず一回落ち着いて」
淳大 が黒地に赤のブルゾンを脱ぎながらいつものように優しいタヌキ目でなだめてくる
到着して早々、僕の剣幕に遭遇してちょっとびっくりしてたけど、いつものことだなって思ったのか寛ぎだした
全然いつものことじゃないんだよ!
グループにも影響でるかもしれないことなんだよ……
「ごめんね、今までマスコミから庇 ってくれていたのに……急にこんなことになっちゃって」
「撮られちゃったのは仕方ないだろ?」
ソファーに投げられたタブレットの画面をスクロールして舜 お兄ちゃんが静かに言った
「うぅ……」
「それに誰かさんはこの間一緒にミニスタライブやってたしな」
「うっ、いや~……それはその友人として……」
バレてら
僕は意味もなく指先をいじりながら目をそらす
隣でお兄ちゃんのでっかいため息が聞こえた
「それより無理矢理キスされたんだって?」
真面目なトーンで聞かれた
「えっ合意の上じゃないの?」
さっきまで穏やかに見守っていた淳大 が驚きの声をあげる
「ぅ、うん……フェロモン使われて気付いたらキスしてた」
「は? それ立派な犯罪じゃん」
暖色だった淳大の声が寒々としたものに一瞬で変わる
オメガに対してアルファが一方的にフェロモンで支配することは法律で禁じられている
でも、そういった性犯罪が後を絶たないのも事実だ
だから、オメガは自分の身を守るためにバース性を公にしない人も多い
僕は逆だ。なんで生まれ持ったものを隠しながら生きていかないといけないのか、もっと堂々と生きたい
実際欧米では自分のバース性をオメガだろうがアルファだろうがベータだろうが誇りを持って自ら主張する人が多い
僕の感覚はそっちに近いのかもしれない、だから子供の頃から海外文化に興味を持って異なる言語を話す人を見つけては積極的に話しかけに行っていた。その結果自己主張強めのこういう性格になったのである。致し方ない。
とりあえずメンバー内で話し合い、しばらく匠海とは距離を置くことを提案され、僕自身もそれが最善だと考えたのでそうすることにした
まぁ、当然彼からの連絡は毎日のように来てはいたんだけど、それも無視した
そして数日後、僕はラジオの収録で都内のスタジオを訪れていた
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