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第24話
「…いただきたます」
先生に倣ってやわらかなクリームにフォークを突き刺した。
突き刺せたのはメロン。
口に入れればジューシーで芳醇な甘さが広がる。
クリームは甘さが控えめなので果物の甘さを殺さない。
先生はそれを気に入っている。
甘党のようで、甘ければいいって訳でもない。
簡単なようで難しい。
「美味しいだろう」
「はい。
美味しいです」
「食べ物は心を豊かにしてくれるよ。
今の夏目くんにはピッタリだろう」
「俺のこと、子供だと思ってますか…?」
「まさか。
けど、俺よりは若い子だと思っているよ」
先生はオムレットをまた頬張ると表情をやわらかくした。
いつも子供みたいなことをしているのに、こういう顔を見るとなんでか大人だなと思う。
ほんと狡いよな。
「ゴミとか俺に纏めさせるのに…?」
「おや、家事は趣味ではないのかい?」
「あのなぁ…」
キャスターチェアから降りない、歩かない。
ゴミは捨てられない、洗い物も出来ない、洗濯も溜まりにたまってからする。
確かに社会が想像する大人像ではない。
けど、先生は確かに大人だ。
「毎日食べたいね」
「血液が甘くなりますよ」
「良いじゃないか。
一人くらいそんな人間がいたって」
そんなわけあるか。
でも……、先生らしい。
「ほら、笑えているじゃないか。
オムレットのお陰だね。
団子も食べなさい。
大福はやらないよ」
「フロートの残りのアイスも食べていいですよ」
「本当かい?
なら、大福をひとつくらいなら考えてもいいよ」
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