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第35話

「先生、お茶もらいます」 「んー…、いいよ」 生返事だ。 筆がのってるんだろう。 すげぇ集中力 これも産まれ持ったものなんだろうな。 努力は誰でも出来る。 それでも、才能を羨んでしまう。 良くも悪くも与えられたものだから。 食器は洗って片付けてしまったので、紙コップにお茶を汲む。 「先生も飲みますか?」 ペットボトルを持っていくと嬉しそうに顔を上げた。 犬みたいだ。 「夏目くんは優しいね」 「ついでですよ」 この顔の方が今は圧倒的に先生の印象だ。 「あ、なら、お菓子も食べるかい?」 引き出しを開けると一口サイズの羊羹や最中、栗饅頭がずらり。 更に奥にはファミリーパックの袋が見えている。 この前より増えてる ……よく糖尿病にならないな… 「いただきます」 羊羹を一つ選ぶと、先生も同じ物を選んだ。 「羊羹は優秀なおやつだよ。 素晴らしいね」 ……言い訳くせぇ けど、すごく先生らしい。 「今度、水羊羹買ってきますね」 「本当かい? それは楽しみだね」

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