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第40話
ソファの上で目を覚ますとスマホを手探りで手繰り寄せ時刻を確認する。
6時7分。
時間も遅いから泊まっていけばいいと言われ甘えてしまった。
コンビニでシャツを買ってそのまま仕事に行くならもう少し眠れる。
だけど、さっきから聞こえ続けているタイプ音が気になる。
いつの間にか腹にかかっていたバスタオルを畳み席を立つ。
そっと部屋を覗くと先生はまだパソコンに向かっていた。
いつものように椅子の上で胡座を崩し、猫背になっている。
努力に勝る才能はない。
なら、生まれ持った文才があって、それでも努力をやめない人には一生届かないんじゃないか。
本当に恐ろしいのは悪意より好意だ。
もっと書きたい。
そんな好意は際限を知らないから。
「…ん?
あぁ、夏目くん」
「おはようございます」
「おはよう。
早いんだね」
「たまたまです。
先生は寝てないんですか?」
「んー、後で寝るよ」
さも当たり前のことのように言っているが、寝てないんだ。
寝もせず仕事をしていた。
きっと先生にそう指摘すれば、フレックスタイム制だよなんて軽く流すんだろう。
それでも、そういう仕事に対する真面目さはどこまでも真っ直ぐで眩しい。
「なにか…飲みますか」
「じゃあ、コーヒーがいいね。
アイスで頼むよ」
「はい。
待っててください」
憧れて羨むだけの人にはなりたくない。
そんなの自ら想像力のない人間ですと言ってるようなものだ。
そんなことしたくない。
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