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友愛デイドリーム(後編)06
「……は?」
何を言われたのか理解できず、真田は硬直した。当然だ。普通に生きてきて、こんなことを提案される可能性なんてゼロに等しいんだから。
それでも己の申し出を取り消すことはせず、俺はじっと真田からの返事を待ち続けた。
「死体を、埋める……?」
「うん」
「本気で言ってるのか?」
「……うん」
重ねて問われ、静かに頷く。理由を聞かれたら、綺麗事を言うつもりだった。死体の遺志を尊重したいだとか、警察に通報するより埋めてあげたほうがずっとこの人は喜ぶだとか。そういう心にもないことを言うつもりだった。
だけどその言い訳を使うことは結局無かった。真田が至極真面目な顔で、俺に同意したのだ。
「分かった。一緒に埋めよう」
「えっ」
「何意外な顔してるんだ? お前が言い出したことだろう」
「そ、そうだけど、でも……」
予想していた展開にならなかったことに動揺し、提案を受け入れてもらえたのに逆に戸惑ってしまう。真田はやりづらそうに、目を僅かにそらした。
「理由が必要か?」
「うん……まあ、少しは」
控えめに促すと、真田は視線を泳がせて、遠くを見て、頭を掻いて息を吐き、散々迷った後に口を開いた。
「お前と、危ないことをしたいと思ったからだよ。俺、もうすぐ海外に行くし、何というかその……お前とならどんな危ないことも出来るって、証明したくて」
「真田……」
感激と喜びと少しの期待。真田も俺と同じことを思ってくれていた。危ない秘密を共有して、二人の絆を確かめようとしてくれている。
だけどその向こう側にあるのが友愛なのか性愛なのかが分からず、その一線を超えたくなる自分を必死で堪える。
ダメだ。高望みするな。こんな風に言ってもらえただけで、十分すぎるぐらい幸せなんだ。彼の言葉通り、死体を一緒に埋めて、友情を確かめ合って、それでいいじゃないか。
なかなか答えを出さないでいる俺を見て、真田はハッと青ざめた。
「わ、悪い、今のはただの軽口だったんだな。本気にしてごめん。重いこと言っちゃったりして……やっぱり今の話は聞かなかったことに――」
「待ってくれ!!」
大声を出して真田の言葉を遮る。俺の声が静寂に包まれている廃墟の壁に、幾重にも反響する。
俺は自分を押さえ込もうと何度も息をし、無難な言葉を返そうとして――うっかり、それに失敗した。
「真田。もし俺を繋ぎ止めるために、もっと大きな秘密が必要だって言ったらどうする?」
「えっ……」
ぴたりと固まった真田は絶望の表情をしていた。俺は、自分が口にしてしまったことの最悪さに愕然としながら、それでも次の言葉を続けないわけにはいかなくて、泣きそうなほど顔を歪めながら、彼に尋ねる。
「今ここでお前を抱きたいんだ。……流石に、意味は分かるよな?」
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