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前向きダーリン×勘違いハニー(前編)02 共犯関係

 俺の言葉を聞いて、麗人は硬直した。怒りで赤くなっていた顔はさっと青ざめ、何歩かよろめきながら頭を抱える。 「そ、そんなはず……でもダーリンの声を俺が聞き間違えるはずないし、ダーリンはそんな三下みたいな声じゃないはずだし……」 「誰が三下っすか! 怒りますよ!?」 「ダーリンはそんなこと言わないっ!!」  八つ当たりのように声を荒げた麗人は、しばらくぜえぜえと荒い息を繰り返した後、恐る恐る訪ねてきた。 「……ねえ、本当にダーリンじゃないの? 嘘ついてもすぐ分かるんだからね?」 「嘘なんかじゃないっす! 人違いしてる人に嘘が見破れるとも思わないっすけど!」 「うるさいっ! ダーリンはそんなこと言わないっ! ……ホントに人違いなんだぁ、どうしようっ……!」  頭を抱えてその場に膝を突いた彼に、俺は縛られたまま慰めの言葉をかける。 「まあまあ、間違いは誰にでもあるっすよ」 「そんな言葉で片付けられることじゃないでしょ!? あーもう、どうすればいいのさ……」  ほんの数分前とは別種の涙をさめざめと流しながら、彼は項垂れる。俺はそんな彼を困り果てた気分で眺め、とあるアイディアを思いついた。 「分かりました! じゃあ俺がアンタの死体埋めに協力するっすよ!」 「……はあ?」 「俺、これでも地元じゃワルだったんすよ? きっとお兄さんの役に立てると思うっす!」  明るい笑顔で提案すると、青年は疑いと呆れの眼差しでこちらを見てきた。 「バカじゃないの? 地元じゃワルって、地元から出た今はコネも何も無い雑魚ってことじゃん」 「そうとも言うっす!」 「胸張らないでよ、バカ。本当にバカ。大体、何の理由があって俺に協力するつもりなのさ」  何度もバカと言われて普通に傷つきながらも、俺は心のそこからの本心で彼に答えた。 「だって、どうせ逆らっても口封じで殺されるのなら、お兄さんみたいな綺麗な人守って死んでみたいじゃないっすか! 男のロマンってやつっす!」  胸を張って宣言すると、彼はぽかんと口を開けた後、迷惑そうに顔を歪めた。 「お前、本物のバカなんだね」 「バカでも利用できるものは利用したほうがいいと思うっすよ?」 「うるさい。正論言わないで。本当にバカ」  トゲのある言葉を続けざまにぶつけられ、しゅんと肩を落とす。  彼はそんな俺を睨み付けるようにじっくり観察した後、忌々しそうな声色で言った。 「分かった。お前を利用してやる。でも裏切ろうとしたり用済みになったらすぐにでも殺すから」

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