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第7話
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素敵だとかかっこいいだとか。憧れてしまう対象はオトコで。
オンナには興味がないどころか、ふにょふにょなあの身体には触れたくはない。
そしてお尻のなかで気持ちよくなれて、そこを誰かに気持ちよくしてもらいたいって思ったならば……。
俺、ゲイだよね。
うん、きっとそうだ。絶対そうだ。
だったらこれから先はきっと生きづらい人生になるのかもしれない。けれども俺は自分の正体がはっきりしたことで、すこし気持ちがラクになった。
どうせならあと一年はやく答えを見つけていたら、俺は去年の担任教師に心配されることなく、汚点も晒さずにすんだのだ。そしたらいまごろクラスで虐められることも、阻害されることもない学園生活をおくっていたのかもしれない。
でも時間は巻き戻らないんだから、そんなこと悔やむだけ時間がもったいないってはなしだ。それよりも俺は将来を見据えて、さきへと足を進めて行こうと思う。
ということで――。
熱い決意を胸に浴槽のなか、股を開いた俺は人差し指でお尻の穴のふちをナデナデしていた。じつは、ぽこりとしたそこを指で擦ってみることはいままでにも何度かあった。
自分がホモかもしれないって悩んでいたときに、男同士で使うそこに興味がでたからだ。でも臓器のなかに指を突っ込むなんて恐ろしいことはできないでいた。今まではせいぜいふちをナデナデして、「あ、気持ちいいかも」っていうくらいで押しとどめていたのだ。
ふっくらやわらかい穴の中心につま先を立てて、そっと押しこんでいく。一ミリ、二ミリ、三ミリ……、
(あ、ちょっと痛いかも?)
四ミリ、五ミリ……。
(わぁぁっ、ダメだ。やっぱり怖いっ)
はやくも熱い決意が揺らいでしまいそうな俺だった。
「よし、体勢を変えてみよう。あとヌメリが必要だよね」
俺は湯舟のふちに腰かけると、左の手のひらにたっぷりリンスをのせた。それを右の指にからめていく。とろんとろんのそれは、浴室内に甘い香りを充満させていった。
(いつかできるかもしれない彼氏とするために、いざっ)
「う?」
湯舟の縁からちょとだけ腰をあげて股に手を突っ込もうとしたが、この体勢はとても不安定だ。俺は湯舟から出ることにした。洗い場に膝をつくと湯舟の縁を掴んでお尻をつきだしてみる。
(これならいい感じかも?)
そっと右の指さきをお尻の穴にあてがい、くるくるとやさしく撫でていく。リンスの効果があってかそれはとっても心地よかった。
「いいかも」
ちょっと力を加えるだけで、するするっと人差し指が穴のなかに埋まっていった。ぎゅーっと異物を締め付けようと収縮する体内の感覚と、ぎゅーっと締め付けられる指の感覚の両方を同時に体感する。
胸がどきどきしていた。
(へんな感じがする……)
でも自分の指では幽霊にずんずんとされたところまでは到底届きそうにない。指の長さも足りなさそうだけど、長さがどうこうっていうよりも、まずそんなところまで自分ひとりで異物を挿しこむなんて怖いのだ。
控えめに第二関節くらいまで埋めてみて、ぐるぐると広げるように指を回転させてみる。気持ちいいとか思えないけども、そのうちやっていることの卑猥さに気持ちが昂ってきてしまい、俺の股間のものはぴるぴると震えながら、勃 ちあがっていった。
この場合、細いのを奥までいれる練習をするのと、浅いところから広く拡げていくのとどっちをさきに練習すればいいんだろう? と「う~ん」と悩む。
(指一本を一番奥までいれる? それとも先に手前まででいいから二、三本いれる練習したほうがいい?)
「お風呂に来るまえにちゃんと調べておけばよかった」
「仕方がない、今日はここまで」と、ひとまずは指を体内から引き抜こうとした俺は、背中越しに見えた壁についている鏡の存在に気がついた。
ゴクリと唾を飲みこんで意を決すると、にじりにじりと膝歩きで後退していく。鏡に映る俺のお尻が少しづつアップになっていった。
ドキドキ
ドキドキ
ドキドキドキ
尻肉の挟間にそっと指をあてがうとそれを左右に押し開いてみた。すると排泄用にできたちいさな窄まりがちょこんと見える。色は唇の色に近いだろうか。
(そんな汚くはないよね? 大丈夫だよね? うん、いけるいける)
「よくみるとかわいい穴かもしれない」
つぎに、中はいったいどうなっているのだろうかと、もう片方の手もそこに持っていきふたつの指で窄まりをぎゅっと分け拡げてみた。
「んん? ちょっと見えにくい? まぁ、いっか……」
自分で自分の穴の中身を見るのには限界があるな。そんなことよりもだ、と。
俺はリンスでぬるぬるしたままの指を、さっきとおなじように穴の中にゆっくりと押しこんでいった。ぬぅっと第二関節までがはいる。するとはじめのときのリンスが残っていたようで、穴のなかでニチャとエッチっぽい音がたった。
「うひゃっ」
(恥ずかしいぃぃっ)
たったそれだけのことで俺の若い身体は簡単に沸騰してしまう。股間のモノが元気に反り返り、とろっと透明の雫を床に零した。あぁ、擦りたい。でも―。
(もうすこし、我慢。あとちょっとお尻を確認してから……)
こんなことを毎日やっていたらほんとに俺ってバカだ。だからこのお尻検査は、今日だけのこと。人生一度きり。
体感ではけっこう拡がった気がしていたのに、実際に鏡で見たそこはたいして拡がってなどおらず、こんなのでこのさき俺は大丈夫なのかと、不安になった。
(これじゃ将来彼氏ができても、うまくエッチができないよ)
もう一本増やしてみたらどうなるんだろう? できるかな?
俺は先に埋めた中指に添 わせるようにして、人差し指も足してみることにした。
「んんっ……んっ……」
鏡で見ながらそうっとそうっと切れないように人差し指を挿入していくと、指は入り口をいびつな形に拡げながらするすると呑みこまれていった。ところが、その指は半分も身体のなかに納めることができなかった。人差し指はちょっと斜めの角度で挿 ってしまったのだ。鏡に映る入り口の粘膜は朱を濃くし、今にも裂けそうにみえる。
「うぇっ、どうしようっ」
じわりと涙が浮かんだ。なかで両方の指をまっすぐに揃えることができればいいのだが、粘膜が切れてしまうことを想像するとちょっとでも動かすのが怖い。怯えれば怯えるほど自分のなかが硬くなっていくのがわかって、そしてもう、このまま一生指が抜けなくなるんじゃないかと狼狽えた。
「こ、こわいよぉ……」
とりあえず落着こうと、ぎゅっと目を瞑るとぽろっと涙が零れていった。
(鏡を見てるからいけないんだ。感覚だけしっかり感じて、怪我しないようにだけ気をつけて……、リラックス、リラックス)
ちょっとくらいなら切れてもすぐ治るから大丈夫だと自分に云いきかせる。それから項垂れかけていた股間のものを左手で握ると、ゆるゆると扱きはじめた。こうしたらきっと気持ちも筋肉も緩んでいくはず。
「んっ、んっ、んんっ……」
ニュクニュク、ニュクニュクと快感を引きだすためにペニスを擦 りあげる。
すると、先端がくるくるくるくる、やさしく摩られて。
(あぁぁ、気持ちいいぃっ)
先っぽは蕩けそうだし、腰も砕けてしまいそう。
「んっ、んっ、やっ、気持ち、いっ……」
ニュクニュク、ニュクニュク。
くるくるくるくる。
快感で全身の筋肉が弛緩しはじめると、次第に口が閉じていられなくなる。
「んっ、んんっ、 あんっ ああっ、……ああん」
口から漏れた声は、浴室の壁に反響した。
ニュクニュク、ニュクニュク。
くるくる、くるくる。
指を呑みこむ管 も次第にやわらかくなっていき、二本の指がそうっと抜け出てきた。
(よかった。指、出たぁ)
ペニスを扱く手を止めないままで、ほっと胸を撫でおろす。指が無事に抜け出たとしても、こっちはこっち。一発出してしまわないとね。
「ああんっ、ああんっ」
たくさんの粘液がでていて、ヌチャヌチャと卑猥な音が浴室に響く。こそこそさわさわと肛門のふちが擽られるのがとってもよくて、俺はうっとりしながら腰を揺らめかせつづけた。
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