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第24話 夏輝サイド<愛のレッスン>
立花先生の話を桐生さんから聞いて、二人で笑った。
「一体どうしたのかな?」
「なんか颯太さんがホルモン療法を拒絶したらしいですよ。ダンスの邪魔になるって」
「へえ~、そうなんだ。そんなにダンスに夢中になってるんだね」
「でも颯太さんだって、最初はガチガチだったじゃないですか?だから同じですよ」と桐生さん。
「まあ、そうなんだけどさ、なんでやることにしたのかな?」
「まあ、想像ですけど、妻がそんなに夢中になるなら、それを知ろうと思ったんじゃないですか?」
「はあん、結局愛情ゆえの努力ってこと?」
「まあ、そうだと思いますよ」
「へえ~それにしてもねえ、立花先生も若くないのにね。きついと思うよ」
「多分、一週間は動けないじゃないですか?」と桐生さん。
なんかおかしいような。うらやましいような……。
颯太って本当に愛されているんだなあと思った。
「まあ放っておきましょう」と桐生さん。
「うん、そうだね、忘れよう」
「あ、でも颯太さんは今度のMVのダンスをやってますよね?
そしたらガチで難しいところのはずだから、もっとやさしい菜の花のダンススタジオに、行った方が良いんじゃないですか?」と桐生さん。
「なるほど、そうだよね。あそこなら桃香や、紗奈ちゃんに香菜ちゃんだって行ってるから、そっちの方が楽しいんじゃないかな? よし、今夜桃香に聞いておくよ」
それで夜、帰宅して桃香に聞いた。
「日曜日のダンス教室は行ってるんだよね?」
「うん、行ってるよ」と桃香。
「あら、何よ?それがどうかしたの?」と莉子が興味を持ったらしい。
「立花先生がダンスを急にやりたくなったらしいんだよね。
それで颯太さんのダンスレッスンに行ったんだけど、急には無理でしょう?だから桃香たちと一緒にやった方が良いんじゃないかと思ってさ」
「おにい、それは無理だと思うよ。だって私達はもう何年もステラのお兄さん達に習ってるから、上手になってるもん。もっと初心者のクラスがあるから、そっちに行った方がいいと思う」と一刀両断の桃香。
「あははは!傑作!」とお兄さんが吹いていた。
「なんでまた立花先生が今からダンスなんだよ。若くもないのにさ」だって。
みんなで笑った。
「颯太さんがダンスに夢中なんだって。だからその秘密を知ろうと思ったんじゃないの?」
「へえ~愛情物語か、いいねえ~」とお兄さんが笑顔になっていた。
「春ちゃん、見習ってよ」と莉子。
「はい、分かりました」
あ~あ、怒られちゃったねえ~の視線をお兄さんに送ったら、ウインクで返された。
「そしたらさ、お兄さんも一緒にダンスを再開すればいいじゃない?
だって立花先生といい勝負だよ」
「馬鹿言うなよ。俺の方がまだ経験者だよ」
「イヤイヤ、ずっとやってないんだから、すぐ体力って落ちるんだよ」
「そうかねえ」
「ね、そしたらさ、土曜の午後なんていいんじゃない?
スタジオも土曜の午後は一般の初心者のクラスをやってるからさ、俺が取り持ってあげるよ」と俺。
「ええ、どうしようかな?本当に立花先生が来るなら行ってもいいよ」とお兄さん。
「あ、じゃあ、私も行く!」と莉子。
「へえ、急に莉子も行く気になったんだ」
「うん、私も踊れるもん」と澄ましている莉子。
ダンスウェアを見せたいだけじゃないの?
ふ、ちょっと面白いけどね。
「良いよ、明日聞いておくよ」
そして翌日の朝、立花先生に電話で聞いてみた。
「ああ~そうなんですか。はい、わかりました。どうしようかな?」
「立花先生も来てくれるなら、北原院長や莉子も行くって言ってましたけど、どうですか?」
「へえ、そうなんですか。では一度見学がてら、お邪魔してもいいですか?」
「はい、いいですよ。毎週1回で月に二万円のレッスン料ですが、いいですか?」
「はい、それは構いませんので、よろしくお願いします」
ハハハ、面白いことになったぞ。
俺も行くさ。これを見逃す手はない。
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