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第26話 加護サイド<ミツワに初訪問>
数日前、院長に生家やガーデンを案内して頂いたんだけど、今日は赤坂のミツワタワーの会長室で打ち合わせがあるから、来て欲しいとのこと。
ミツワのホテルと駅を往復するシャトルバスがあるから、一度乗って覚えてくださいだって。
会長室ってどんなところかなあ、ワクワクする。
しかも赤坂の丘の上、ミツワタワーの最上階の会長室! 興奮ものだよ。
タワーに着くと、インターフォンがあって、名前を告げると直行エレベーターに乗せた。
これってアニメの世界のお約束じゃないの?
とにかく、会長室に到着した。
扉からして重厚ですごい。
入り口にSPが立ってるから、院長は在室なんだ。
ノックするとドアを開けてくれた。
「お早うございます」
皆さんがズラッと立って迎えてくれた。
「加護さん、よく来てくれたね。皆さんに紹介しますね。
こちらは佐久間病院の業務改善室の室長である加護由紀子さんです」と院長。
そして、上川秘書や山川弁護士、広報スタッフの皆さんを紹介してくれた。
広報課の課長さんは電話番をしているとのこと。良い人だなあ。
立花家の執事、小林さんもいらしている。
「初めまして、加護由紀子です。どうぞよろしくお願いします」
「今日は大まかな部署や役職を決めようと思うんですよ」と院長。
……私がそんな場にいてもいいのかな?
「では会議を始めます。まず各建物の青写真を貰ったので、皆さんにコピーをお渡しします。
これを見て、大体予想される部署を分けたいと思います。
これについては小林さんと山川弁護士にも予想を書いてもらいました。
これはただの案ですので、皆さんの意見は手をあげて、どんどん言ってください」
資料が配布されると、わー、建物が多いじゃないか……と思わず驚く。
院長が説明を続ける。
「加護さんもいるので、最初から説明します。
この財団の正式な名前は”ミツワ未来財団”と言います。
理事は立花颯太で、出資金は100%理事が出しています。
予想額は大体120億くらいになると思いますが、完成しないと正確な数字は出ません。
ミツワの社長からもバスや椅子、テーブル、シャトルバス、社用車など、色々な支援をいただきます」
ここで私はが~んと頭突きされたようなショックがあった。
個人で120億出した? 信じられない。
あのかわいい颯太さんが?
……簡単に? 一瞬、めまいがした。
院長の話は続く。
「理事の颯太は歌手活動で多忙の為、ほとんど私が代わりに動きます。
私は佐久間病院の院長職は抜けましたので、財団に専念します。
財団ビルの1階に事務室があり、部屋はつながっていて、2部屋あります。
ここに総務部や、営業部、会計部などの部署が入ります。
2階は理事室、法務室、会議室、眼科クリニック。
3階から上は保育部を始め、キッチンなど、生活トレーナー達の主な仕事場所になります。
詳細はプリントしていますので、ご覧ください」
「必要な部署は18部署に及びますが、まだスタッフが揃っていないので、
今決まっているスタッフの居場所だけお話しします。
●法務部は山川弁護士
●総務部長は小林さんです。よろしくお願いします。
ただ、今後は他の部署も一緒にお願いするかもしれませんが、よろしいでしょうか?」
「はい、かしこまりました。務めさせていただきます」
静かに頭を下げていらした。さすがの風格……。
「●理事室兼院長室は立花颯太と私です。
クリニックや医療福祉部を一緒に管轄します。
この補佐になりますが、加護さんには医療福祉部の部長として、またクリニックも一緒に兼任してお願いしたいです。
医者や技師の人事権は私が持ちますので、加護さんはナースや助手、爪ケア、美容サロンなどの人事権を持ちます。安心して専念してください」
「え、え?」つい声が出てしまった。
皆さんの視線が集まった。
「待ってください!医療福祉部はまだ分かるのですが、
クリニックの部長って……だって、医師の皆さんもいるわけですよね?
私はナースですよ。良いんですか?」 言うなら今だ。
「大丈夫です。医師と技師の人事権は私が持ちます。
部長といっても多分雑用がほとんどです。
医師はひたすら診療をして稼いでもらわないと困ります。
雑用をやっていては時間が勿体ないです」
涼しい顔できっぱりと言われて、皆さんが下を向いてクスクス笑っているのが分かった。
「なるほど、その通りですね」と山川弁護士が微笑んで感心していた。
なんだよ~。それじゃあ前途多難だよ。
もう今からどんな目で医者から見られるのか……想像するだけで怖い。
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