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第27話 加護サイド<財団スタッフ>
院長の説明は続く。
「この医療福祉部には、うちで預かっている藤沢碧人君に入ってもらいます。
彼は特別支援教育を専攻していて、教員の資格を取得するそうなので、医療福祉部にはぴったりの人材です。
それと立花紗奈は義妹ですが、今は社会福祉士の勉強をしていて、卒業したらこの福祉部で一緒に仕事をしてもらおうと思っています。オープンには間に合うのでよろしくお願いします。
それとその妹で、立花香菜は大学生ですが、保母の資格と幼稚園教諭の資格を2年後に取得します。
3階の保育室で仕事をしてもらおうと思っています」
「ほう~、それはいいですねえ」と山川弁護士が微笑んでいた。
院長の説明はまだ続いた。
「立花家の家政婦さん達には、生活トレーナーとして活躍してほしいのですが、時期がもっと近づいてから詳細を決めたいと思います。
運転手の横森さんも、ガーデンの世話や、修繕などに活躍してほしいと思っています。
それと、うちで預かっている高校生の里奈ちゃんと陽菜ちゃんもいずれスタッフになると思いますが、奨学金で進学するかもしれません。
里奈ちゃんはカフェ希望ですが、陽菜ちゃんは未定です。
いずれも保護をしている子なので、ビル内の部屋に入る予定です」
すでに弱者を保護しているところが院長の凄いところだよね。感心する。
きっとそこが財団を作る原点だったんだろうなあと思った。
「あと、広報部の皆さん、場所はどこがいいですか?
1階の事務室が混雑するかもしれないんですよ。
広報は電話の問い合わせが多いと思うし、道向かいに新たに建物を建てて、事務室、倉庫、作業室にしたらどうかと思っているんです。
もちろん必要がある時は本部の事務室に机を置きますが、その辺はどうしたいのか聞かせてください」
広報の皆さんがきょろきょろと顔を見合わせていた。
その中でサッと手を挙げた人がいる。山下さんだっけ?
「あのう、僭越ながらいいですか?
1階の窓口と事務室は同じ部屋の中のようですが、広報の仕事はすごくうるさくなっちゃうんです。
電話がひっきりなしでかかって来るし、3人いたら、3人とも喋ってるんですよ。
だから他の静かに仕事をしたい方には、邪魔になるんじゃないかと思います。
あと、ファングッズを広げたり、手元に置いてファンの方と話をするので、机の回りの荷物が増えます。
なので、皆さんと同じ場所では無理だと思います。
それと商品を発送したりするのに、倉庫と隣接していないと効率が悪いと思うんですよ。
それと、ショップがありますよね?
もしかしたらショップで販売しているものも発送したりしませんか?多分出てくると思うんですよ。
”あれが良かったからまとめて送ってほしい”とかね。
焼き菓子などもそうなんですけど、発送専門の場所があった方が、他の部署の人も楽だと思うんです。
梱包用具も場所を取りますからね」
「賛成!」と他の広報スタッフ達が小さく拍手をした
院長は笑顔で聞いていた。
「はい、分かりました。別棟を建てましょう。多分事務所内では無理だろうと思っていました」
そしたら今度は拍手喝采だ。良いねえ。この人たちは素直だ。
やはり、院長に聞いていた通り、広報スタッフは優秀だねえ。
それにやさしい院長で良かった。
「それと人事なのですが、一流ホテルの支配人やマネージャー、百貨店の接客、店作りを経験した人や、飲食業に強い人を募集しようと思います。それと栄養士、調理師、エステの経験者、爪ケアの経験者なども必要です。
担当して欲しいのは、ホテル、カフェ、ショップ、キッチン、料飲部、美容サロンなどです。
接客のプロとして全体を見渡せる人が欲しいと思っています。
医療系は私と加護さんで検討します。
大まかな説明は以上です。ここまでで何かご質問はありますか?」
広報から手が上がった。今度は男性だ。田代さんだったかな?
「あのう、人材募集は優先順位があった方がいいですよね?
まず入所者と仕事をして欲しい弱者を呼ばないといけないので、この財団を多くの人に知ってもらうのが先かなって思います。ある程度揃ってから、上の人を呼んでもいいのかなと思ったんです」
いいねえ~優秀だ。その通りだよね。
そうしないと人件費が勿体ないしね。
「はい、言いたいことはよく分かりますよ。そうしましょう。ガーデンの出来上がりと、入所者が先ですね。
入所者がいないと、その先のスケジュールが決まりませんからね」
院長があくまでやさしく対応していた。
確かにそうだ。
ショップが出来る前に支配人を呼んでも何も出来ないかも。
店作りの経験者が必要だよね。
販売もプロを呼ばないと、せっかく店が出来ても勿体ないもんね。
とにかく、財団の大まかなことが分かった。
私のキャリアが活かせそうで、ワクワクしちゃうなあ。
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