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第43話 陽一サイド<調剤薬局>
次の課題を俺が発言した。
「調剤薬局を呼ぼうと思っています。場所は生家の横の大きな駐車場です。
調剤薬局と隣に小さなドラッグストアができたらいいなと思っています。打診はこれからです。大手がノーなら町の薬局でもいいです。
その時は付設の店はまた別途考えます。この辺りの方は年配の方が多いし、クリニックに来てくれた人には、すぐ薬が受け取れるようにしたいし、薬の配達もお願いしたいと考えています。
打診は今日から始めます。もしかしたら採算を問われるかもしれませんが、やってみたいと思います」皆、無言だった。
誰も何も言わない。ダメなのか?
でも俺はやる。必要だから。
しかし、唯一加護さんが発言した。
「私はやってほしいと思います。誰かしら賛同してくれる人はいると思います。ぜひ打診をお願いします」
そして小林さんが発言した。
「やはりクリニックがあるなら、そばに調剤薬局は必要でしょう。
お菓子一つ買える店が下まで降りないと買えないのは、財団ビルや職員寮で生活する人には不便です。
駐車場は使って構いません。どうぞ誘致をお願いします」
そして初めて皆が拍手をくれた。
そこ~? と内心思った(笑)
会議が終わると、大手の調剤薬局やドラッグストアにメールを送りまくった。
だが翌日になっても、翌々日になっても誰からも返信が来なかった。
がっくりしているところへ、家政婦の由紀さんから電話がかかってきた。
「どうしたの?」
「それがヘンなんです。朝からうちの隣の駐車場に車が続々と停まっていますよ。
こちらに用事があるようには見えないのですが、スーツを着た男性が20人近くいて、ウロウロと歩き回ってガーデン内も見物しているようなんですよ。一体何なのでしょうか?」
「あ、もしかしたら俺に用事があるかもしれないから、すぐ行きます。
それをその人たちに伝えてもらえますか?」
「はい、承知しました」
小林さんと山川弁護士にも話して、一緒に来てもらうことにした。
20分ほどで着くと、確かに車が6台ほど停まっていた。
俺が行くと20人ほどの人が並んでいて、皆さんが会釈された。
「お待たせしました、立花陽一と申します。
ミツワの医療顧問と、ミツワ未来財団の院長と理事代理を兼任しております。どうぞよろしくお願いします」
俺は全員と名刺を交換して回った。
それから、小林さんと山川弁護士も紹介して、皆それぞれが名刺を交換した。
終わると皆さんは顔を見合わせて、誰が何から切り出そうか迷っているようだった。
「おとといの、調剤薬局希望をメールをした件で、現地を視察にいらしたんですよね?」
皆さんがうんうんと頷いていた。
「では、その件はあとでゆっくりお話ししますので、先に場所のご説明をします。
調剤薬局を建てたい場所はここです。駐車場もあるので問題ないと思います。それと、希望は調剤薬局の横に小さなドラッグストアを作ってほしいのです。
財団では今見えている『ミツワ未来ビル』を建設中で、1階と2階が財団のクリニックになります。
予定しているのは、内科、小児科、耳鼻科、眼科、皮膚科、精神科です。
他に会員制の爪外来、別棟に美容サロンと6室だけのホテルもあります。
また近くに職員寮を建設中で、現在は4階までできています。
未来ビルは完成まであと1年です。
この未来ビルには、社会的な弱者やシングルマザーなどを応援するために、住居も用意されています。
完成後はシャトルバスを駅まで1時間に3便ほど運行するつもりです。
この観光ガーデンは、有名なガーデンデザイナーの大谷梨々子さんのデザインで、着々とオープンへ向けて植栽が進んでいます。
港区で1万坪の土地に造るガーデンには、ショップ2店、カフェとソフトクリームショップ、コンサート用小ホール、未来ビルの中には保育所も予定しています。
おそらくオープンしたら、毎日大勢のお客さんが押しかけると思います。
今は着々と人材募集や、財団に訴えてくる社会的な弱者を救うための活動をしています。
ここの道路に沿って、いくつか立花家で取得した土地や家屋があります。
この1万坪も立花家の財産ですが、それを借地として財団が借りている形です。
財団の出資はすべて、立花家の当主である立花颯太が出しています。
今は歌手の柚音(ゆおん)としても活動中です。120億円を全額出資してくれました」
ここで、「ほう~」と小さな声があちこちから聞こえてきた。
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