65 / 103
第65話 陽一サイド<ショップ完成>
颯太はアニメプラスの皆さんが、温かく引き留めてくれたお陰で事務所を辞めなかった。
吉沢達也君とのコラボコンサートは2000人のチケットが即日完売という、素晴らしい結果になった。
達也君一人では今まで即日完売はなかったと夏さんが後で言っていた。
それだけ颯太のコンサートを待っていてくれたファンが、根強くいたということだろう。
そしてコンサートでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
颯太ってこんなに実力があったんだと、心底驚いた。
ラストの2曲は本当に素晴らしいデュエットを聴かせてくれて、二人はこんなに美しい声で響き合うんだと涙が出た。
弱音も履かず、達也君の為にきついトレーニングの毎日を励んだ。
すっかり大人になって責任を果たした颯太が俺は誇らしかった。
ただ終わったら、甘えんぼの颯太が復活していたけどね。
達也の旦那の松永さんが俺の隣席だった。
「感動しますねえ。こんなに美しい声をしていたなんて、すごいです。歌唱力が最高ですね。颯太さんも今までが勿体なかったですよ~」
ふっ、褒められた!
そうだな。俺だって颯太がここまで進化していたなんてね。
感動し過ぎて、気持ちが宇宙まで飛んで行き、弾けてキラキラと輝いていた。
ロニー先生はアニメプラスとも契約したらしい。
「英語で歌う訓練を皆にしてもらい、世界に羽ばたきますよ。
アニメプラスも新しい未来が開けました」と桐生社長。
さて、コンテナが届いてから半年が経った。
その間に二つのショップとカフェが出来た。
未来さんの仕事は早いねえ~。
ショップが完成すると、支配人たちはさっさと買い付けた家具を設置して、商品をどんどん並べていく。
ショップ裏の倉庫にも在庫をぎっしりと詰め込んだ。
「――そうしないと、ドラッグストアの仮店舗を空けられないんですよね」
確かに支配人の言う通りだ。
ガーデンショップも、採用したフラワーデザイナーが来てくれて、商品棚や展示台の仕様、ショップのレイアウト、商品リストなどを一つひとつ丁寧に打ち合わせしていった。
あとは商品が来れば店開きが可能になった。
カフェには専用の調理用具や最新のドリンクマシンも搬入された。
さっそく専門のトレーナーを招き、実際のドリンクの作り方や在庫管理、倉庫の片付け方、食材の扱い方などの徹底的な講習が行われた。
これには天使達だけでなく、広報の石井君と田代君も参加している。
「よし、カフェは任せとけ」って男子組の心意気を感じるよ。
里奈ちゃん、陽菜ちゃん、そしてその友達の華子ちゃんも、学校のスケジュールを上手に調整して講習に加わった。
みんなやりたくてしょうがないんだよな。
それと、今回の未来ガーデンの要となる重要な人物――管理指導者がついに決定した。
専門的な教育を受け、梨々子さんがデザインした地方の有名ガーデンで実績を積んできた人物だ。
お墨付きのヘッドガーデナーだから理想的な人材だ。
名前は加納レオンさん。
程よく日焼けしていてがっしりとした体格で、イケメンのハーフ男性だ。
しかも、若い女性のアシスタント2名もくっついて来た!
有難すぎる……!
ほかにもガーデン希望者が男性も含めて6名いるので、シフト体制も十分に組めそうだ。
さらに4時間勤務のパートさんも6名加わってくれる。
あと、ベゴニアの温室もある。
奥の蔵の横にあって20畳ほどで結構広い。
ここは冬場でも温かく、美しい花を楽しめるベゴニアガーデンだ。
この温室の為に、ベゴニア栽培が得意な専属ガーデナーを2名迎えることができた。
う~ん、でもなんか足りなくないか?
なんだろう?
ともだちにシェアしよう!

