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第79話 陽一サイド<来るもの拒まず>
ドリンクを飲んだ後は、食堂部の3人だ。
まずは料飲部の管理をしているマネージャーで結城信二さんだ。
実直そうな印象を受けた。
支配人が尋ねた。
「結城さんは今マネージャーなのに、どうして財団に来たいんですか?給料は下がりますよ」
「ああ、そうですよね。なんとなくわかっていましたが、それでも財団へ移りたいんです。
小耳に挟んだのですが、まだ厨房の主なスタッフが決まっていないと聞いたんですよ。その後はどうですか?」
「その通りです。菜の花フーズの人に来てもらって、素人でも出来るやり方を皆で教わっているところです」
「あ、そうですか。それなら良かった。すごく心配していました」
本当にホッとした表情をしていた。
心から心配してくれていたんだな。
「菜の花フーズのことはご存じなんですか?」
「当然知ってますよ。味も分かっています。
素晴らしい材料で吟味されて作られていますから、素人が多い厨房では最高の助けになると思います。
少し安心しました」
そこまで真剣に心配してくれてたんだ。うれしい。
「それで財団に来ていただいて、その後の食堂は大丈夫なんですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。お飾りみたいなもんです。
食堂は契約したフーズの会社がほとんどやっていますから、ミツワの社員は大してすることはないんです。だから誰が来ても困ることはないです。
それとですね、うちからあと2名応募しているでしょう?」
「はい。ご存じでしたか?」
「実は相談されました。その契約しているフーズの男性と女性なんですが、中々頼もしいですよ。
ただ今のところだと息苦しいと言ってるんです。
まあ、やることが決まってますからね。無理もないんです。
ですから、この二人は出来れば財団の厨房に入れてやって欲しいんです。
仕事はよくできますから、今の財団では役に立つと思いますよ」
「へえ~そうなんですね、はい、わかりました。ではまた後日ご連絡をしますね」
ふう~、皆で一緒にため息をついてるな。
「食堂から3人もベテランが来るなら、厨房も万々歳じゃないですか?」と加護さん。
「確かにそうですね。この3人は決まりにしましょう」と支配人。
それで決定した。
次は、広報――え、何をやってるんだよ?
山辺日奈子さんと八坂拓也さんしかいないのに、二人が消えたらあとは課長しか残らないじゃないか?
「お早うございます。よろしくお願いします」
こっちも画面で二人一緒だった。
「えへへへ」とちょっと気まずそうに笑っていた。
「さ、どういうことなのか、話を聞こうか?」と支配人。
怖っ。
「すみません、お察しの通りです。私達仲良しなんです。
それで営業から広報に来れたものの、
もう山下さん達がうらやましくてうらやましくて――なんとか財団に入れていただけないでしょうか?
だって広報が手薄ですよね? というか、電話番はバイト4人と山下さんだけでしょう?
ですからこのままではオープンまでに破綻します。
本来の広報活動までは誰も出来ていないので、無理だと思います。
どうしても今抜けるのがダメなら1年後でもいいので、新卒でも入れていただいて引継ぎをしますから、ぜひぜひお願いします。この通りです」
二人でペコリと頭を下げた。みんなこれだよ。(笑)
ズームが終わると、支配人も頭を抱えていた。
「可愛い後輩じゃないですか?入れてあげたらどうですか?」と加護さん。
支配人が苦笑いをしていた。
さて、次は男子ナースだ。なんだ?
「次は院長お願いします」と支配人に託された。
「お早うございます。よろしくお願いします」
「沢野達也君、いったいどうしたの?
ナースはたった一人しかないのに、抜けちゃっていいの?」
「いやねえ、加護部長にお願いされた看護助手がもう見てられないんです。
なかなか覚えないんですよ。
もう責任取って財団に行って更に鍛えようと思うんです。
それにミツワは女性のナースの方がいいんですよ。
男だと誰も来ないんです。だから財団で使ってください。
よろしくお願いします」ペコリ。
それで終わった。
「加護部長、どうなの?まだナースは入れられる?」
「はい、いいですよ、宿直要員にいいかもしれないです。
まだ男子ナースはいないのでね。
一人くらいいた方が引き締まっていいんですよ」
「じゃあ、決まりですね」と支配人。
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