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第23話 月下美人*

 病室内が月下美人の花の匂いで満たされていく。  Ωであるオレのフェロモンの匂い。  一夜限りしか咲かない、年に一度しか咲かせられない花の香り。  悠真さんが教えてくれた、甘くとろけるような匂い。 「葵のフェロモンは、本当に狂おしい程、良い匂いがする……」  αである悠真さんがオレの首筋に顔を埋め、熱い舌を這わせながらオレの匂いを深く嗅いでくる。  その吐息が肌をくすぐるたび、心臓がトクンッと高鳴る。  時折、強く吸い付くように唇を押し当て、オレの青白い肌に紅い花弁のような痕を刻む。 「ぁっ……そんな、こと……ンぅ、ぁ」  水色の病衣の紐を解かれ、悠真さんの大きな手が滑り込んでくる。  胸の突起を親指の腹で撫でるように弄られただけなのに、電流のような快感が全身を駆け抜け、オレのΩの本能が疼き始める。 「あっ、んん…っ!」  初めてされた愛撫なのに、悠真さんに触れられた部分が熱く燃え上がり、もっと触れて欲しくて堪らない。  硬く尖った胸の先を指先でクニクニと押し潰され、反対側を舌でねっとりと愛撫される。 「あ……やぁっ、ひゃぅっ!」  赤子が乳を求めるように強く胸の突起を吸われると、腰が勝手に揺れ、蕾がαを欲してヒクつくのを感じる。  まだ触られていないオレのモノは痛いほど勃ってしまい、先端から透明な蜜がとめどなく溢れ出してしまう。 「葵……ここ、なんて淫らな色をしてるんだ。可愛い葵、可愛い」  悠真さんの執拗な愛撫のせいで、オレの胸の突起は熟した果実のように赤く腫れ、ピンと張り詰める。 「ココ、もっと食べて欲しいって言ってるみたいだな」  わざとカリッと歯を立てられると、ビクンと身体が跳ね、ピュッと少量の白濁が飛び散ってしまった。 「んァッ……!」  悠真さんの白いワイシャツにオレの精液がべっとりと付着してしまい、羞恥心と罪悪感で涙が滲む。 「ふふっ……ごめん。ここもたっぷり可愛がってやるから……」  悠真さんはオレが射精してしまったのを見てほくそ笑み、謝ってくれた。  でも、次の瞬間、大きな手がオレのモノを握り、ゆっくりと上下に擦り始める。 「ァッ、ふぁ……ァッ、アッ……」  イったばかりで敏感になった部分を悠真さんの手で扱かれる。  自分でするのとは比べ物にならない、全部を包み込んでくれる熱く力強いαの手。  悠真さんに愛撫されるたび、オレのペニスはまた堅く芯を持ち、お腹の奥に熱がグルグルと渦巻く。  親指の腹が亀頭の先端を滑らかに撫で、尿道を焦らすように爪先でカリカリと刺激される。  さっき達したばかりで敏感になった先端は、ぬるぬると先走りで濡れそぼる。 「ぁっ、アッ……ン、でちゃ……また、でる……ぅ」  オレは、ビクビクと肩を震わせながら悠真さんにしがみ付き、ドロリと濃い白濁を吐き出してしまう。 「はぁっ……はぁっ……、また、汚し……ちゃった」  彼のワイシャツにべっとりと付いてしまったオレの精液。  ずっと自慰すらしていなかったからドロドロのスライムみたいな白濁が、悠真さんのワイシャツを汚してしまう。 「こんなにたくさん……。葵、ちゃんとイくって言えてエラいな」  肩や首筋にチュッ、チュッと口付けを落としてくれながら、悠真さんは潤んだダークグレーの瞳でオレを見つめ、褒めてくれる。  その優しい眼差しに、胸の奥が熱く高鳴り、お腹の奥がキュンッと疼く。 「はぁっ……はぁっ……もっと、触って欲しい。ココも……悠真さん、いっぱいさわって……」  オレは悠真さんの手を取り、自らお尻の方へ誘う。  さっきいっぱい先走りも出しちゃったから、悠真さんの手はオレの出した精液でベトベトに濡れている。  お尻の蕾も、触れる前から疼き、早く触れて欲しいとヒクヒクと誘っている。  オレのナカ、さっきから勝手に蜜が溢れ出てきちゃってる……  発情期なんて、嫌いだった。  熱に浮かされて、自分じゃなくなるみたいで怖かった。  なのに……今は違う。  悠真さんの腕の中は温かくて、苦しくてもひとりじゃないと思えた。  痛みも熱も消えたわけじゃないけど、それでも怖くなかった。  あぁ……オレ、本当はこうしたかったんだ。  好きな人に抱きしめられて、大丈夫だって言って欲しい。  ——もっと、一緒にいたい。  ——もっと、悠真さんを感じたい。  早く……悠真さんと、早く繋がりたい。    ポタリと雫が滴り落ち、シーツにシミを作っていく。 「葵、こんなに濡らして……。ナカ触るけど、痛かったらすぐに言うんだぞ」  向かい合わせで膝立ちになり、悠真さんの首に腕を回して抱きつき、コクンと頷く。  脚を少し開いて悠真さんの脚を跨ぐように立つ。  悠真さんの首に抱き付いている状態だから、自分から胸を差し出しているみたいでちょっと恥ずかしい。  恥ずかしいはずなのに、もっと触って欲しい……  愛しいαに触れてもらえると考えただけで、お腹の奥が疼いちゃう。  Ωの本能が、羞恥と悦びで震えているのが、オレでもわかる。 「指、挿れるからな……」  悠真さんの節ばった指が、ゆっくりとオレのナカに侵入してくる。  異物が挿ってくる感覚に耐えようと、彼の肩口に顔を埋め、声を押し殺す。 「ンッ……ぅ、ふっ……ぅんっ……」  悠真さんの指が一本から二本に増やされ、ゆっくり奥を押し拡げていく。  最初は違和感しかなかったのに、徐々に甘い疼きが全身を駆け巡り、身体が悠真さんを求めてしまう。 「あ、んッ……ぁっ……ゆ、ま……きす、してぇ……」  自ら舌を差し出し、キスをねだる。  こんな淫らなことをして、嫌われるんじゃないかって不安が頭をよぎる。  でも、そんなオレの不安を消し去るように、悠真さんはオレの願い通りキスをしてくれた。  舌が絡み合い、口内をねっとりと舌で擽られる。  濡れた音が頭の中に響いて、意識が蕩け、ぼうっと霞むような感覚に溺れる。 「葵は、キスが好きか?」  唇が離れ、意地悪く囁かれる。  キスなんて、悠真さんとしかしたことない。  こんな蕩けるようなαのキス、悠真さんしか知らない。 「ん……すき。悠真が、教えてくれたの……すき。きもち……ぃ」  もっとして欲しくて、自ら舌を差し出す。  オレの蕩けた顔を見て、クスっと悠真さんが笑った気がするけど、すぐにまた深くキスをしてくれた。  その間も、オレのナカに挿っている指がクチュクチュと淫らな音を立てながら、奥を解していく。  異物感はもうない。  内壁を押され、擦られて、時折意地悪にナカを引っ掻かれると、それだけで達しそうになる。 「あっ、あっ……だめっ、また……でちゃっんんぅっ!」  お腹側にある、ナカのぷっくりしているところを擦られた瞬間、我慢しきれずまた白濁を吐き出してしまった。 「はぁっ……はぁっ……ごめ、ごめん、なさぃ……」  今まで触られたこともない敏感な場所を擦られたせいで、とても耐えられなかった。  さっきより薄くなった白濁を見て、悠真さんは意地悪な笑みを浮かべ、同じ場所をコツコツと執拗に突いてくる。 「葵、ココ気持ち良かったんだね。ほら、突くたびに葵のえっちな汁が溢れてくる」  いつの間にか指がもう一本増やされ、三本の指がナカでバラバラに動かされ、ナカをグチャグチャに掻き乱す。 「ふぁっ、ゆ……まぁ……あっ、ァっ……おにゃか、あつぃ……やァッ!」  一度休ませてほしくて、懇願するように名前を呼ぶが、悠真さんは許してくれなかった。  枕元に置いておいた悠真さんの白衣に顔を埋め、四つん這いにされる。  お尻を突き出し、自らもっと犯して欲しいと言っているような恥ずかしい体勢をとらされる。 「葵、もう少しだけ我慢してくれ。このままだと、俺のを挿れたら傷つけてしまうから……」  悠真さんが背後から熱い吐息交じりに懇願してくる。  悠真さんの潤んだ熱を含んだ目。  さっきからお尻に当たる熱くて大きな膨らみ。  その感触に、身体の奥が疼いて求めてしまう。  早く、ソレをオレのナカに挿れて欲しい。  もっと、大きなモノでナカを擦って欲しい。  悠真さんは、ちゃんとオレを欲しいと思ってくれたのかな?  同情じゃなくて……  嘘の恋人とだからじゃなくて……  αとΩだからでもない。  ——悠真さん自身の意思で、オレを求めてくれた。  そう思えたら……どれだけ幸せだろう。

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