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第3話

「別に。彼女なんていらないよ」 好きなのは一希だけ。 それ以外の人間になど、碧は興味がなかった。 「あっそ? じゃ、俺はもう行くから」 「うん」 藤沢を見送り、教室は碧一人になる。 静かになった室内で、碧は教科書を机に出して一希を待った。 「待たせたな、加藤」 ドアが開く音がして、碧がそちらに顔を向ければ、待っていた人物の姿が眼に入る。 教室に入ってきた一希は後ろ手でドアを閉め、教卓へと向かった。 「それじゃ、補習始めるぞ。…とは言っても…加藤」 「はい?」 補習を始めるのかと思えば、一希は腕組みをして碧の前に移動する。 教室の真ん中辺りにある碧の机の前に立ちはだかり、机に片手を着いた。 体を碧の方に乗り出す形になり、自然と二人の距離が近くなる。 「ぁ、あの…なんですか?」 「補習を受けるのが加藤一人とはな」 「ぇ?…あ…そういえば…」 一希が補習を受け持つということばかりに意識が行ってしまい、碧は他の人のことなど気にも止めなかった。 今この教室に居る生徒は碧一人。 つまり、この補習を受けなければならない人物は碧だけだったのだ。 「まぁ、生徒一人と教師一人、しっかり勉強するには好都合だよな」

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