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第8話
「間違えた罰だ。これが俺なりのやり方。嫌なら、頑張って正解することだな」
別に嫌なんかじゃない。
むしろ、碧自身がそれを望んでいた。
離れた唇にはっきりと残る一希のぬくもり。
まさに夢をみているようだった。
「じゃあ、次の問題だ」
「ぁ、はい」
結局、この日だけで何十回と一希からのキスを味わった。
途中からは問題に集中できないほど、碧の頭は一希に支配されていったのだ。
「また明日もやるからな。次はキスだけじゃ済まないぞ」
「ぇ…?」
彼の言葉に、つい期待をしてしまう。
でも、一希がなんで自分にそんなことをするのか、碧には理由がわからなかった。
ただ、今は一希の熱に溺れていて、真意に気づけなかったから。
「今日も問題を出す。まずは関数。これを解いてみろ」
黒板にずらーっと問題を書き、碧に解くよう諭す。
だが、関数は碧の苦手分野。
感で答えてみるものの、全く当たっていなかった。
「これは一年で習った問題だぞ? それとも、わざと間違えてるのか?」
「ぇ…?」
「俺に触れてほしくて、さ」
確かに一希が好きで、触れられたら嬉しい。
だけど、心のどこかで虚しさのようなものを感じていた。
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