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第27話
碧が事故に遭ったという知らせを受け、一希は一目散に病院へと駆けつけた。
一希が着いた時、碧は手術室の中で、赤く光る『手術中』の文字だけが一希の視界に入ってくる。
いつ終わるかもわからない長い待ち時間に、言い様のない不安な気持ちが一希を支配していた。
ようやく手術が終わったのは、一希が病院に駆けつけてから四時間後のことだ。
数人のナースに運ばれていく碧は酸素マスクや心電図が繋がれ、見ていて痛々しかった。
「碧…」
碧が運ばれたのは集中治療室。
医者の話では手術は成功したが、油断できない状態だという。
「碧…頼むから、眼を覚ましてくれ」
一晩中傍に居ても、生まれるのは不安な気持ちばかり。
もしこのまま意識が戻らなかったら、と考えただけで言い様のない恐怖に包まれた。
「ん、ぅ…」
「碧?」
カーテンの隙間から朝陽が射し込む中、碧の瞼がうっすら開けられる。
もう目覚めないかもしれない、と言われていた為、彼の目が覚めただけで大きな安心感に包まれた。
ゆっくりと開かれた瞼の下から現れた碧の大きな黒目。
それが自分に向けられ、本当に碧が目覚めたのだ、と一希は頬を緩る。
これでいつもの日常が戻ると、疑いもしなかった。
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