34 / 43
第34話
そんな会話をしていると、玄関からチャイムの音が聞こえ、訪問者が来たことを知らせる。
誰だろう、と首を傾げる碧とは裏腹に、誰が来たかわかっている一希は顔をしかめた。
案の定、訪ねてきたのは母親で、一希は渋々彼女を家に招き入れる。
母親と向かい合わせで座りながら、一希は落ち着かない様子で拳を握り締めた。
「何か用?」
「何か用、じゃありません。この間のこと、もう一度話し合おうと思って来たのよ」
やはりか、と一希は項垂れる。
今は碧も居るし、できればその話題は避けたかった。
「母さん、そのことはまた改めて…」
「ダメです。ちゃんと説明しなさい。男子生徒を好きになったってどういうことなの!? 母さん、あなたにはお見合いしてもらいたいと思ってる。もう相手にも話して、日程も決めてありますから」
一希に見合いをしろと言ったところで、彼は絶対に納得しない。
だから、全ての手配をしてここに来たのだ。
「見、合い…」
「碧?」
今まで一希と母親のやり取りを近くで見ていた碧が、突然真っ青な顔で呟いた。
そのまま彼は頭を抑えてしゃがみこむ。
「碧っ!」
突然のことに、一希は慌てて碧に駆け寄った。
優しく肩を抱き、碧をソファーに座らせる。
一体彼に何が起きたのかわからず、一希も一希の母も困惑状態だ。
ともだちにシェアしよう!

