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第37話
そんな突然の展開に碧が混乱するのも無理はなかった。
「あぁ。お前に初めて会った時から好きだった。でも…生徒に告白なんてできるわけないって思って、気持ちを隠してた。だが、あの補習で二人きりになって…我慢できなかった。少しでも触れられればよかったのに…近づけば近づくほど…碧の全てが欲しいと思うようになってたんだ」
初めて聞かされた一希の気持ちは碧を驚かせるには十分だった。
目を見開いて頬を染める碧を見て微笑みながら、一希は話を続ける。
「離れたら忘れられると思った。だけど、間違ってた。さっきも言った通り、碧が事故に遭ってようやくわかったけど、離れたからって忘れられないぐらい、碧が大事なんだよ」
そっと抱き締められ、耳元で紡がれていく告白に、碧は頬を赤く染めた。
こんなに嬉しいことが起こるなんて、少し前の碧には考えられないことだ。
嬉しさと同時に涙が頬を伝っていく。
それは一希から聞かされた自分への告白に幸せな気持ちになったからと、バカなことをした自分に恥ずかしくなったから。
「せんせ…ごめっ、ごめ、ん…ごめん…」
涙と共に吐き出される言葉は謝罪のものばかり。
こんなに自分を想ってくれていた人のことを最低だと思い込んで、自分は彼を理由に見知らぬ男たちと体を重ねていた。
それが恥ずかしくて、一希に申し訳ない気持ちで一杯になる。
「碧、泣かなくていい。元々俺が酷いことをしたんだから。傷つけたのは俺だから、泣かないでくれ」
「でも、ごめん。僕…バカなことした。いくらショックでも…あんなこと、するべきじゃなかった」
いくら後悔してもたくさんの男と寝た事実は消せない。
だけど、激しい後悔が碧を包み込んでいた。
「確かに俺以外に抱かせたことはショックだよ。でも、原因は俺だし…もう考えるのはやめよう。今度は俺も素直に気持ちを伝えるから、碧も素直になってほしい。過去は過去で仕方ない。俺だって最初から告白しておけばよかったって後悔してるけど、今さら過去は消せない。だから、これからは後悔しないようにしたい」
「うん…僕も…後悔しないように…素直になる。僕は…今でも先生が好き」
「やっと聞けた…碧の気持ち。俺も好きだよ。もう離したりしないから」
しっかりと抱き締められた一希の腕に力がこもって少し痛かったが、今はそれすらも幸せに感じる。
彼の言う通り過去は過去で受け止め、これからは素直になろうと誓った。
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