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第42話
「碧はシたくないのか?」
「ううん、シたいよ」
そんなことは愚問だ。
あんなキスをされて、これ以上を望まないなんて、そんなの恋人じゃない。
好きな人とベッドに居るのに、いくら碧でも我慢なんてできなかった。
「でも、眠いんじゃなかった?」
「っ、いじわる」
意地の悪い一希に、悔しそうな顔で悪態の言葉を吐けば、今度は余裕の表情で言ってくる。
「名前で呼んでくれたら、碧のしたいことわかるかも」
別に名前で呼ばなくてもわかっているくせに、と心で思うが、ここは一希のいうことを聞くしかない、と嫌でも思ってしまう。
それが事実なのだから仕方ないが、やはり悔しさは拭えなかった。
「っ…き…」
「ん? 聞こえないよ?」
人が顔を真っ赤にしながら言っているのに、一希は相変わらず意地悪をやめない。
どうしても碧に名前で呼ばせる気らしい。
こうなれば観念するしかなかった。
「一希…っ、意地悪、しないでよ」
ようやく紡ぎだした彼の名前は半ばやけくそだったが、一希は満足気な笑みを浮かべている。
よくできました、とでも言いたそうな表情で見つめられ、少し悔しい気持ちもするが、それも悪い気はしなかった。
「それじゃ、ご褒美をあげないとな」
一希のいうご褒美が何を意味しているかなんて聞くまでもなく、これから訪れるであろう快楽を想像し、碧は頬を染める。
真っ赤なそこに一希の口づけが落とされたかと思えば、服を剥ぎ取られていった。
一切を纏わない姿になった碧の体を、一希の手が滑るように撫でていく。
最初はくすぐったかった行為だが、散々一希に慣らされた今では全てが敏感になっていた。
現に肌を触られただけで、碧のモノははち切れそうなほど主張している。
「悪いけど、今夜は寝られないかも」
「僕…寝る気はないですよ」
さっき意地悪されたお返しとばかりに、今度は碧が意地悪な笑みを浮かべた。
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