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第2話
それから俺は先輩との関わりを断ったわけじゃない。
ただ、少しずつ距離を置いた。
登校時間を変えて、いつも乗っていた電車を一本遅らせる。
昼休みは購買に行かず、朝のうちにパンを買っておく。
帰りもすぐには帰らず、本屋に寄ったり、公園のベンチで時間を潰したりした。
先輩に会わないために。
先輩を避けていることがバレないように。
少しずつ。
本当に少しずつ。
そうやって俺は先輩のいる場所から離れていった。
それでもたまに廊下ですれ違えば挨拶はするし、話しかけられれば返事もした。
ただ、以前みたいに一緒にいることはなくなった。
そのうち先輩も気付いたのかもしれない。
前みたいに声をかけられることも減った。
昼休みに探されることもない。
帰りに誘われることもない。
先輩は先輩で忙しいのだろう。
友達も多いし、頼られることも多い。
俺一人いなくなったところで何も変わらない。
そう思うと少しだけ胸が痛んだ。
だけど同時に、ほっとしている自分もいた。
これでいい。
勘違いしたまま期待し続けるより、ずっと。
そう自分に言い聞かせながら、俺は今日も先輩のいない帰り道を歩いた。
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