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第2話

「ほら、信太。そろそろ行くよ」 「うん、待って~」 先に玄関の外に出ている宏太の後を追うように信太も鞄を持って外に出る。 家から少し離れた道まで行けば、そこには保育園に行く園児と親達がちらちらと現れ始めた。 「みんな、ひまわり保育園に行くのかな?」 「うん、きっとそうだよ」 そんな会話をしながら数分歩くと、保育園に到着した。 まずは職員室を探し、転入の挨拶をする。 「あの、今日からお世話になる天海屋です」 「あぁ、君が天海屋信太くんか。私は園長の江南(えなみ)です。え~と…春宮先生~」 「はい!…おっ、君が天海屋信太くんかい?」 江南に呼ばれて職員室の奥から出てきた若い青年──春宮大悟(はるみや だいご)は信太を見つけると、眼鏡の向こうから優しい眼差しを向け、信太のサラサラな黒髪をやわやわと撫で上げた。 その表情がなんとも言えなくて、宏太は一瞬見惚れてしまっていた。 「あ、えっと、君がお兄さんの宏太くんですよね?」 「うえ!?…あ、はいっ」 突然話し掛けられ、つい驚いてマヌケな声をあげてしまい、顔が真っ赤になる。 初日からこんな変なところを見せて、今後が恥ずかしい。 ちらっと大悟の顔を見れば、小さく笑っていて、益々顔を上げられなくなった。 「お兄さんも可愛いね。僕は信太くんの担任を受け持ちます、春宮大悟です。そんなに緊張しなくても大丈夫。まぁ、まだ引っ越してきたばっかりで慣れないこともあるだろうし、僕でよければ何でも相談してください」 「あ、はい! ありがとうございます。信太をよろしくお願いします、先生」 正直、引っ越してきたばかりで何もかも不安だった。 それが、どういうわけかこの人の言葉で、不思議なくらい安心させられる。 「はい、よろしくお願いします。信太くんもよろしくね!」 「はいっ!…えっと…はる…みや…だいご…せんせ?」 「そうだよ。よく名前覚えられたね、偉いよ」 「えへへ! にいに、僕えらい?」 「あぁ、偉いよ」 嬉しそうに見上げてくる弟に微笑み、その頭をわしゃわしゃと撫で回してやった。 「ねぇねぇ、にいに! 大悟先生と僕達お名前似てるね!」 「え? あぁ“あまみや”と“はるみや”だからか? 確かに似てるな」 「言われてみれば…確かに! 似たお名前同士仲良くしようね!」

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