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第15話

翌日、保育園へ信太を送り届ける足取りは重かった。 昨日の出来事もあり、大悟と顔を合わせるのが不安だった。 「あ、大悟先生!」 「っ」 信太がいち早く大悟の姿を見つけ、小さな足で掛けていく。 その後に続き、宏太も足を進めていった。 何を話せばいいのかわからずに少し戸惑うものの、自分は信太を送ってきただけ、と平静を装う。 「信太くん、おはよ!」 「おはようございます、大悟先生!」 「ぁ…おはよ…ございます」 「宏太くん……おはよう」 ただ挨拶をしただけなのに、二人の間に気まずい空気が流れる。 それに耐えきれず、宏太は信太を大悟に預けて保育園を後にした。 「挨拶しただけなのに…こんな緊張するなんて…」 そう呟いた言葉は誰の耳にも入ることなく消えていく。 もう前のように楽しく話せないのかな、と考えれば、辛くて涙が頬を伝った。 結局、あの件がきっかけで、宏太は大悟を避けるようになっていった。 交わす言葉は挨拶だけになり、笑顔も次第に減っていき、自分でも情けないな、と思う。 「にいに…大悟先生とケンカした?」 「え?」 夕飯を食べていると、ふと信太が問い掛けてきた。 ドキッとして、箸が止まる。 「だって、なんかいつもと違うんだもん。悲しそうな顔してる」 子供にでもわかるくらい態度に出ていたのか、と気づかされた。 でも、信太に本当のことを言えるはずもなく、その場はなんとか誤魔化した。

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