21 / 57

第21話

宏太と恋人という関係になって一ヶ月。 相変わらず学校と信太の世話に追われていた宏太と、なるべく時間を合わせて逢瀬を重ねていた。 「宏太…んっ」 「んんっ…ふ、ぁ…んっ」 五日ぶりに訪れた大悟の部屋。 しばらくテレビを見たり他愛ない会話をしたりしていると、大悟から唇を重ねられた。 久々のキスに、宏太は体が痺れるような感覚に襲われる。 「んっ…だい、ご…」 「宏太…いい?」 「うん」 宏太が頷いたのを確認し、その体をそっとベッドに押し倒した。 そして、また唇が重ねられる。 「んっ、んぅ」 大悟の手が宏太の服にかけられた。 その時、宏太の携帯が鳴り響いた。 「ぁ…電話。家からだ」 「信太くんか。出てあげなよ」 「うん」 ベッドから体を起こし、鳴り響く電話に出た。 「もしもし? 信太?」 『にいに?』 「起きたのか? どうした?」 『怖いよ…』 「怖い夢でも見た?」 『うん』 どうやら信太は悪夢で目を覚ましてしまったらしい。 怯えている弟を放り出しておくことなんてできず、大悟の家を後にした。

ともだちにシェアしよう!