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第22話
「信太、大丈夫か?」
「っ…にいに?!」
家に帰った途端、目に涙を溜めた信太が抱きついてきた。
宏太が帰ってくるまで我慢していたのか、ボロボロと涙をこぼしだす。
その小さな体を抱き締め、安心させてやる。
しばらく泣いたあと、信太は小さい声で話し出した。
「お母さんとお父さんが…笑ってたのに…消えちゃって。そしたら…にいにも…いなくなって…僕、ひとりぼっちになったの…」
「そう、だったんだ。怖かったな。でも、俺はいなくならないから安心しろ」
両親が死んだ時、幼い弟は自分が守らなくてはいけない、と強く思った。
泣きじゃくる信太を見つめながら、また強くそう感じた。
「さ、もう寝るぞ。明日も保育園だしね」
「にいに…一緒に寝てくれる?」
「うん、いいよ」
その夜は兄弟で寄り添いながら眠りについた。
さっきまで怯えているような顔をしていた信太だったが、その寝顔は幸せそうだった。
忙しない目覚ましの音で目を覚ました宏太は、まだ夢の中の信太をベッドに残し、朝食の支度を始める。
もう冬になろうというこの時期、朝の寒さは肌に突き刺さった。
──ピンポーン。
ふと玄関からインターホンが聞こえ、朝食の支度を中断して来客を迎え入れる。
「ぁ…大悟」
「おはよ、宏太」
「どうしたの?」
「いや、昨夜信太くんに何かあったのかな、って気になっててさ」
少し寒そうな大悟を中に招き入れた。
「もうすぐ暖房効いてくると思うから、座ってて」
「ありがとう」
「信太はもう大丈夫だよ。なんか、怖い夢見たらしくてさ。父さんと母さんが消えて、俺も居なくなるんじゃないかって…。でも、もう安心して寝てる」
「ならよかった。でも、宏太も泣きたくなることとかないの?」
「え…?」
突然の大悟からの質問に、宏太は目を見開いた。
両親が死んでから、誰かに甘えることも弱音を吐くことも自分に禁じていただけに、大悟であっても今更弱音なんて言えない。
「いつも弱音とか、そういうの見せてくれないからさ。ほんとは宏太だって泣きたい時があるんじゃない?」
「俺は…大丈夫だから。泣くとか…人に甘えるとか…そういう柄じゃないし」
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