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第23話

「でも、僕は宏太に甘えられたり、泣き言言われたりしたい」 「…大悟」 「…にいに?」 「あ、信太くん、おはよ」 「大悟先生?」 自分の家に大悟が居ることに驚いたのか、まだ眠そうだった信太の目が見開かれる。 「ちょっと近くまで来たから寄ったんだ」 信太のおかげで重くなりかけていた空気が明るくなり、三人で朝食を食べた。 その日の夜、信太を寝かしつけた宏太は大悟の家に来ていた。 「宏太…さっきの話だけどさ…」 甘い雰囲気になりかけた時、大悟の言葉が空気を変えた。 さっきの話というのは朝宏太が言った『泣くとか…人に甘えるとか…そういう柄じゃないし』という言葉のことだとすぐにわかった。 「まだ親が生きてた頃…二人共まだ小さい信太の世話で精一杯で、俺も学校とか忙しくてさ…親に甘えるってこと、したことなかった。学校でも…人に頼られることは多くても、誰かに頼ったことはなかったし…バイトでもシフトリーダーだったし…。最後に人前で泣いたのなんて小学生の時だった。だから…甘え方が…わからない」 小さな声で吐き出された言葉から、宏太が今までどれだけ頑張ってきたのかが痛いくらい伝わってきた。

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