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第25話
信太は一時間以上、母親との電話に夢中になっていた。
「明日には帰ってくるんだから、もう寝ろ」という宏太の言葉で、ようやく受話器が置かれる。
明日を楽しみに眠りにつく信太と宏太。
朝、起きてからも、信太のテンションは高く、何度も「何時に帰ってくるのかな?」と聞いてくる。
「朝のバスに乗るって言ってたから、こっちに着くのは三時ぐらいかな」
部屋の時計は朝の十一時を指している。
バスが到着する十五時までは四時間近く時間があった。
帰りが待ち遠しい信太は時計を手の中に収めたまま離さない。
そんな弟の様子に苦笑いしながら、昼食の支度を始めていく。
「ほら、信太。昼飯だぞ。時計置いて、こっち来い」
丁度十二時を周り、用意した二人分の食事をテーブルに並べた。
今日の昼食はデミグラスソースのオムライス、コーンスープ、ポテトサラダだ。
熱いのがまだ苦手な信太のコーンスープには火傷しないように氷を入れてやる。
昼食も終わり、そろそろバスが着く頃だ、と信太はソワソワしていた。
それは宏太も同じだったが、弟の手前、表情には出せない。
兄というのはつくづく大変だ、と感じた。
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