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第37話

放課後、担任に呼び止められてすっかり帰りが遅くなってしまった。 担任の話というのはやはり進路のことで、来週中には進路調査書を提出するように、とキツく言われたのだ。 外はすっかり暗くなり、部活終わりの生徒達がちらちらと帰っていくのが見える。 こんな時間まで部活とはご苦労なことだ、と思いながら、それに紛れて宏太も歩いていく。 「あ、れ…?」 丁度校門のところに、高校生とは思えない一人の男が立っているのが目に入った。 誰かの迎えだろうか、と思いながらも、なぜかその男から目が離せない。 じっと見ていたせいか、男がこちらに気づいたようで、視線が宏太に向けられる。 そして、まっすぐにこちらへと足を進めてきた。 「宏太、久しぶり」 「え?……ぁ、赤瀬、先輩?」 「覚えててくれたのか? 嬉しいよ」 近くで見た男の顔は宏太にはよく見覚えがあった。 前の高校で唯一仲が良かった一つ先輩の赤瀬成海(あかせ なるみ)だ。 「もちろんですよ。でも…なんで先輩がここに…?」 「俺さ、こっちの大学に通ってるんだよ。それで、宏太がこっちに住んでるって聞いたから、久しぶりに会いたくなってさ」 正直、こっちに来てから大悟以外に仲のいい人なんていなかったから、久しぶりの再会に宏太は胸を弾ませていた。 赤瀬は昔から兄貴気質で、よく後輩の悩み事相談なども受けていたのを覚えている。 何人もの生徒が赤瀬を慕っていたが、その彼が自分と仲良くしてくれていたことが、当時の宏太にはとても嬉しかったのだ。

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