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第38話
「そういえばさ、宏太ってもうすぐ受験だよね? 志望校どこなの?」
「ぁ…実は…まだ決めてなくて…」
「もう本格的に決めないとヤバくないか?」
「そう、なんですけどね…」
「俺でよかったら相談に乗るよ?」
さらりに出たその言葉に、宏太は断る理由なんてなく、素直に首を縦に振った。
「じゃあ…お願いします」
大悟に相談出来ない分、自ら相談に乗ると言ってくれた赤瀬の言葉が本当に嬉しかった。
もしこれが他の人だったら遠慮して断っていたかもしれない。
でも、素直に甘えられたのは高校の頃から兄のように慕っていた先輩だったからだろう。
「じゃあ、さっそく話聞こうか? ウチ近くなんだけど…来る?」
「え?…いいんですか?」
正直、来週中には進路調査書を出さなければならないので、すぐにでも話を聞いて欲しい。
でも、今会ったばかりで、これからすぐ家になんて、流石に迷惑ではないか、と肩を竦める。
「どうせ暇だし。遠慮しないでおいでよ。ってか、俺から誘ってるんだから」
「じゃあ…お願いします」
「うん。じゃ、行こうか」
赤瀬に連れられて着いた先はお洒落なマンションだった。
「うわ…すご…」
自分の家とは比べ物にならない外観に、宏太は思わず見とれてしまう。
「行こうか」
「ぁ、はい」
赤瀬に続いてマンションの奥へと足を進めていく。
着いた部屋はイメージ通り、綺麗に整頓されていた。
白と黒を基調としたスッキリとした室内に、本棚には難しそうな本がたくさん並んでいた。
「なんか…難しそうな本ばっかりですね」
「ん? あぁ、医学書とかたくさん買いすぎちゃって」
「医学書!?」
「うん。一応、医大に行ってるからね」
高校の頃から常に成績トップだった彼だからレベルの高い大学なんだろうとは思っていたが、医大と聞いて、本当に頭がいいんだ、と実感させられる。
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