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第42話
店先を掃除していると、聞きなれた声が宏太の名を呼んだ。
振り返ってみれば、この間会ったばかりの赤瀬が立っているのが確認できた。
「先輩。どうしたんですか?」
「いや、この店たまに来るんだ。それより、宏太の方こそ何してるんだ?」
「あ、俺、少し前からここでバイト始めたんですよ」
「そうだったのか。全然気づかなかったよ」
「俺、普段は夜しか入ってなんで」
だからか、と妙に納得した赤瀬は店内へと入っていった。
宏太もある程度店先を掃除し終わると、赤瀬の後を追うように店内へと戻っていく。
中に入れば、カウンター席で赤瀬がコーヒーを飲んでいる姿が飛び込んできた。
「あ、宏太。掃除終わったの?」
「はい。そんなに汚れてなかったんで、案外早く終わっちゃいました」
「あれ? 宏太くん、赤瀬くんの事知ってるの?」
妙に親しげに話していたせいか、店主がそんな疑問をぶつけてきた。
前の高校の先輩だと言うと、奇遇なこともあるものだ、と店主が顔を綻ばせる。
「宏太、明日もバイト?」
「え? いや、明日は休みです。日曜なんで弟サービスしないと」
「そっか。じゃあさ、遊園地でも行かない? 信太くんと三人で」
「遊園地、ですか?」
「うん。きっと信太くんも喜ぶよ。それに、宏太もたまには息抜きしないと」
遊園地なんて行くお金がないと断ろうとすると、店主が無料券を持っているからとくれたので、明日は三人で遊園地に行くことにした。
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