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第44話
日曜日、信太を友達の家まで送り届けると、宏太も待ち合わせ場所へと向かった。
日曜の昼だけあって、待ち合わせのカップルやグループの姿が目立つ。
「宏太〜」
「ぁ、先輩」
周りに気を取られていると、背後から赤瀬に呼びかけられた。
声の方へ振り返れば、笑顔で手を振ってくるのが見える。
「ごめん、待たせちゃったね」
「ぁ、いや。俺も今来たとこなんで」
「そっか。ならよかった。行こうか」
「はい」
遊園地に着くと、やはりカップルや女の子のグループが多く、男同士で来ている客は宏太達ぐらいだった。
男だけで遊園地なんて、やはり少し恥ずかしい、と思いながらも、宏太は久しぶりの遊園地に童心に戻ったような気持になる。
「先輩、ジェットコースター乗りましょうよ!」
「ジェットコースター? うん、いいね」
ジェットコースターは宏太の一番好きなアトラクションだ。
子供の頃、遊園地に行くと必ずというほど乗っていた。
他にもお化け屋敷など、いろいろなアトラクションを満喫し、気づけば日が落ちる頃まで夢中になってしまっていた。
園内に閉園のアナウンスが流れ、客の数も少なくなっていた。
「そろそろ帰ろうか」
「そうですね。先輩、今日はありがとうございました」
「ん? いや、俺も楽しかったから。よかったらさ、また誘ってもいいかな? また昔みたいに宏太といろいろしたいんだ」
「はい! 俺もまた先輩とこんな風に遊んでみたいです」
いつの間にか将来への不安も消え、心から楽しいと感じられた。
赤瀬が家まで送ると言い出し、宏太は素直に送ってもらうことにした。
遊園地から宏太の家までの数十分、自然と昔話に花を咲かせる。
前の高校での思い出は、宏太にとっては両親が生きていた頃の思い出で、強がることを知らない無垢な子供だった頃の懐かしい記憶だ。
「ぁ、うちここです」
「そっか。じぁあ、またね」
「はい。ありがとうございました!」
「まぁ、進路も大事だけど、あまり思い詰めすぎるのも良くないよ」
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